第83話 メル友は選ぼう
遊園地に行くことになったが、移動はもちろん車だ。となると、やはり前は夫婦、後ろは恋人と座るのは必然と言えるだろう。
「楽しみだね、あっくん」
本日も可愛い琥珀たんは嬉しそうにそんなことを言う。なんか俺としては琥珀を見てるだけで満足してしまうものだが、折角なので琥珀には存分に遊園地を楽しんで欲しいものだ。
「あのね、さっき黒華ちゃんにメールしたら、黒華ちゃんも家族とお出かけだって言ってたよ」
「へー、そうなんだ」
浪川家のお出かけ……絶対、お値段張るところだと邪推してしまう俺は心が汚れてるのかもしれない。
「黒華ちゃん、メールだとすっごく丁寧口調になるんだ」
「琥珀はメールでもいつも通り可愛いよね」
「そ、そうかな?えへへ……」
まあ、とはいえ、俺とほとんどずっと一緒にいるからメールの機会は少ないけどね。俺も琥珀も直接話す方が楽しいし。
「そういえば、ようやく約束果たせたね」
「約束?」
「小学1年生の頃に話したでしょ?琥珀と一緒に遊園地行こうって」
「……覚えててくれたの?」
「俺が琥珀との約束忘れるわけないでしょ?」
「……! うん!」
まあ、とはいえ、2人きりでないから今度は2人で来ることにしよう。その方が面白いだろうし。更にイチャイチャできるしね。
「えへへ、あっく〜ん」
あまりにも嬉しいようでこちらに抱きついてくる琥珀。そういえば最近琥珀からもスキンシップするようになってきてね……控えめに言って最高!なんて言うか……そう!日頃の行いの結果だよね!
「琥珀、飴いる?」
「うん、食べる〜」
「ほい、あーん」
雛鳥に餌を与えてるような感じもするけど、こうして餌付けもしておくことで更に琥珀とイチャイチャ出来るのだ。まあ、まだ少し恥ずかしいようで少しだけ頬を赤くしながら飴を舐める琥珀。
幸せだなぁ……なんて思っていたら何故か携帯が一瞬震えた。一瞬だったので多分メールだろう。琥珀を愛でつつ携帯を確認すると川藤からだった。
まあ、そもそも携帯持ってる友人が少ないのである程度予想はしていたが……
件名 河原で見つけたぜ!
添付されていた画像はエロ本らしきものを持つ友人の姿。俺はパタンと携帯を閉じてから琥珀を愛でるのに集中する。下らないことでメールしやがって……そういえば、前の時も川藤は捨てられてるエロ本を収集していたなぁと思い出した。
思春期なのは分かるが……残念ながらエロ本程度で興奮は出来ん。もはや俺は琥珀でしかそういう気持ちになれないのだ (ドヤっ)
そんな邪な思考をしていても琥珀は可愛いのでした。
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