第29話 部活説明会
「なあなあ、暁斗。一緒に野球部入らないか?いや、野球しようぜ!」
早いもので、入学してから1週間が過ぎた。琥珀も少しづつ友達を作って学校生活に馴染み始めた本日、所謂部活の説明会が行われた後で友人の川藤からそんなことを言われた。
「いやいや、暁斗には是非バスケ部に来て欲しい」
「待て待て、陸上も合ってると思うぞ?」
「サッカーこそイケメンなスポーツだろ」
「お前のスリーポイントが必要だ!」
「バンドシマショウ」
何人かのクラスメイトからそう矢継ぎ早に提案されるのも想定内だった。というか、前の時も同じ感じだったし。それで結局中学は剣道部、高校はテニスをやってたからねぇ。
こう見えてそこそこ運動神経は悪くないので、スポーツは嫌いじゃない。とはいえ……
「うーん、悪いけど彼女の部活が決まるまで本決定はないかな」
「お前の彼女どこ入るんだって?」
「決めかねてるみたいだね。まあ、一緒に回ってみて決めるとするよ」
そう友人には言い残して教室を去る。
必ずしも同じ部活に入ろうとは思わない。無論、同じ方が色々融通は利くけど、例えば女子しか入れない部活とかなら、近いところで選ぶのもありだし、琥珀の反応を見ながら決めるつもりだ。
琥珀のクラスに着くとすぐに琥珀は発見出来るがその前に軽くクラスを観察する。全体的にグループも固まってきてる感じで、友人とどの部活に入るか話し合ってるようだけど、1人だけ浮いてる生徒もいた。
(あの子かなぁ……)
前回琥珀をいじめた連中が目をつけそうな相手も絞り込めてきた。その証拠に連中がその子を見てくすくす笑ってるのが分かった。これはそのうちだな。それより今は……
「琥珀」
「あっく〜ん」
トコトコ寄ってくる可愛い彼女。なんとなく頭を撫でると「えへへ……」っと照れるのがなんとも可愛いものだ。
「部活見学行こうか」
「うん……でも、本当にいいのかな?」
「昨日の2人の反応見たら大丈夫そうでしょ?」
夕飯の席で琥珀の袴姿を見たいって言う母さんに、それは俺だけの時に見せて貰うからいい!と断ったのは記憶に新しいものだ。絶対可愛いからこそ、独り占めにしないとね。
「うん……あっくん」
「ん?なに?」
「そのね……ありがとう」
守りたいこの笑顔。思わずそう思ってしまうくらい可愛い笑顔に俺は見惚れてしまっていた。あ、もうなんか、部活とかどうでも良いから早く帰って2人でイチャイチャしたくなってきた……だってさ、琥珀さん可愛すぎんだもん!なんなのこの天使は!俺の彼女です(キリッ!)本日も俺は琥珀に悶えてしまうのでした。
琥珀たんマジぷりてぃ(キリリっ)
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