第24話 登校中こそイチャイチャ

翌日、実は昨晩も琥珀が可愛らしく一緒に寝たいと言ってきて一緒に寝たのだが、そのお陰でぐっすり寝れた。本当に愛いやつめ。


「じゃあ、行ってくる」

「お母様、行ってきます」

「行ってらっしゃ〜い♪暁斗、琥珀ちゃんを連れてホテルに行かないようにね〜」


その言葉の意味が分からずキョトンとする琥珀。中学生が入ることはまずないと思うというか、ある意味それやると犯罪臭が半端ないが、そんな母親の言葉をスルーして2人で登校する。


「あっくん、昨日もありがとうね」

「ん?なんのこと?」

「その……一緒に寝てくれて……」


恥ずかしそうにそう言う琥珀。その仕草がまた可愛くて思わず抱きしめたくなるのをなんとか我慢して、手を繋ぐだけに留めておく。


「あ、あっくん……?」

「嫌だった?」

「ううん……嬉しい……」


少しだけ頬を赤く染める琥珀たん。いやぁ、今日も琥珀が可愛いからきっと素晴らしい一日になるよね。


「俺もありがとう。琥珀と一緒だと凄く安心するんだ」


前回のトラウマ。少し深く眠ると必ず見る琥珀を失ったあの辛い記憶が琥珀といると相殺され、むしろ心地よい夢に変わるのだ。俺が不甲斐ないせいで琥珀を1度失った。だから、今度こそ絶対に守ってみせる。


そんなことを思っていると、琥珀は立ち止まってからしばらく迷うようにしてから、勇気を出したように俺に抱きついてきた。


「琥珀……?」

「ご、ごめん……でもね、あっくんがなんか少し悲しい顔してて、でも、私どうしていいか分からなくて、だから……」


……本当になんでこの子はこんなに優しいのだろう。自分だって大変なのに俺の事を気にしてこんな風に励ましてくれる。それに俺はどれだけ救われるのか。


だから、俺も琥珀を優しく抱きしめる。他の生徒が好機の視線を向けてきていても気にする事はない。


「ありがとう。琥珀が居れば俺は大丈夫。だから……ずっと、俺の傍にいて欲しい」

「……うん。ずっとあっくんと一緒……」


まるでプロポーズみたいな台詞だけど、俺は本気だ。琥珀とのイチャイチャを他の奴に見せる義理はないが、こうしてたまたま出来た虫除けの機会はちゃんと活用する。


まあ、でもそんなのは建前。こうして、俺のことを想ってくれている琥珀が本当に大切で愛しいから俺は琥珀を抱きしめてるだけだ。


俺より小柄で発展途中の可愛い女の子。俺が何よりも大切で愛してる女の子。これからずっと守っていきたい女の子。そして――俺が本気で恋した女の子。


「好きだよ、琥珀」


だからこそ俺は琥珀をこれから先ずっと守ってみせる。何があっても絶対に。






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