第22話 初メール
「ふむ……」
琥珀とのイチャイチャした時間が恋しいけど、一応学生としての準備もしないといけない複雑な気持ちの今日この頃。まあ、携帯買いに行ってから少しイチャイチャ出来たけど、やっぱり足りないものは足りないのだから仕方ない。
明日から、普通に中学生活が始まるのだが、持ち物に名前を書きながらある程度最悪なパターンをシュミレーションしていく。
琥珀はあまり勉強が得意ではないけど、頭が悪いわけではない。きちんと説明すれば理解して絶対に忘れないので、勉強に関しては俺がサポートすれば何の問題もないだろう。
それ以外で不安な要素。
やはり交友関係が1番かもしれない。琥珀の担任は前の時に琥珀へのイジメをスルーした前科があるから信用は出来ない。でも、その代わり面倒事を嫌うので、裏で根回しすれば家庭環境とかには突っ込んでこないだろうからせいぜい、利用させて貰うとしよう。
そして、そのフォローを俺のクラスの担任にさせる。俺のクラスの担任は問題児の扱いに慣れてる良心的な善人だ。ある程度の事情を話せば、恐らく協力はしてくれるだろう。
まあ、教師はそんなところだけど……生徒の方は向こうの出方によるからなぁ。
例えば、琥珀の代わりにイジメのターゲットになった子が居たとして、優しい琥珀はそれを見逃すことはしないだろう。震えつつも庇って自分が被害にあうのが容易に想像できた。
そう、本当に琥珀は優しいんだ。だからこそ、そんな事態も想定しないといけない。一応初日のインパクトで琥珀の彼氏持ち女子としての地位は確立出来てるだろう。
だとすれば……
「イジメの主犯をどうにかするのが早いが……この時点でそれをやるのはリスクが高いか」
奴らと琥珀の親には前回の拭いがたい憎しみがあるけど、それをぶつけるのは理不尽すぎる。かえって琥珀を危険に晒す可能性もあるしね。
「いざとなったら、あのプランでいくか……ん?」
そんな風に色々とシュミレーションしていると、買い換えたばかりの携帯がメールの受信を知らせた。
「琥珀かな?」
手に取って受信ボックスを見ると、やっぱり琥珀からのメールが1件届いていた。
『あっくん、会いたい』
……おk、切なげに俺に懇願する琥珀を想像したけど、そんなエロい意味ではないはず。多分、可愛い意味の方。まあ、とりあえず会いたいのは俺も一緒だし、俺はとりあえずこの件を寝る前の議題として、隣の琥珀の部屋に向かうのだった。
にしても……琥珀さん、本気で可愛すぎてワシも我慢が限界になりそうじゃよ。いや、まじで。
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