第8話 虫取り2

夏休み。


ムシ採り中の敵は、スズメバチ。


クワガタムシと一緒に樹液を吸っていたりするが、近づくと威嚇してくる。

木を蹴ると、怒って威嚇してくる。


クワガタムシはどう思っているのだろう。

スズメバチも。


なかよく樹液を吸っているところを見ると、仲間だと思っているのかもしれない。



わたしのほうは、スズメバチの排除を考える。


少ないおこづかいでは、殺虫剤を買えない。

むしろ蜂に効果があるのかわからない。


そこで、金属バットをつかうことにした。



ハチはだいたい、威嚇のため、襲う方向に向いて数秒立ち止まって、

威嚇音を出した後、くびあたりをめがけ、まっすぐ襲ってくる。


鎌倉武士の名乗りみたいな古風な攻め方。



そういうわけで、立ち止まったところを見定め、バットを振りぬくと

カキンという音を立ててどこかに飛んで行った。


成功だった。




が、複数のススメバチには通用しないことが今年の夏証明された。

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空の隙間 kia @aaaaki

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