第266話 クラスメイト……?

 しばらくの間、前野と端井は睨み合っていたが……先に視線を反らしたのは意外なことに前野だった。


「いいよ。歓迎するよね? 後田君」


 そう言って前野は俺の方を見る。端井も俺のことを見ている。


「……あ、あぁ。俺は全然構わない」


「……どうも」


 端井は何か言いたそうだったが、何も言わず、ただ、俺と前野を交互に睨みつけているだけだった。


「え~……大体4人グループになれたかな?」


 先生からそんな気の抜けた声が聞こえてくる。


 四人……俺たちはまだ三人だけである。あと一人……誰か必要である。


 ふと、俺は横山の方を見てしまった。と、横山は……中原と話していた。


 不安そうな顔で中原と話している横山。横山の方も少し驚いているようだった。


 おそらく、あの感じだと横山は中原と同じグループに入るだろう。


 そうなると、流石に俺たちとは同じグループにはなれなさそうだ。


 だけど、あと一人、このグループに入ってくれそうな人なんて――


「あの~、ちょっといいかな~?」


 と、そんな折に、俺たちに向けて間の抜けた声が聞こえてきた。


 振り返ると、そこには……ものすごく眠そうな女の子が俺たちの方を見ていた。


「……えっと、何か?」


「あはは~、何か、って、クラスメイトなんだから、もっと気軽に話そうよ~」


 間の抜けた調子でそうしゃべる少女。確か、コイツの名前は――


「あ。僕、外川寧々だよ~、って、流石にクラスメイトだからわかっているよね~」


 ……言われるまでわからなかったが、どうやら、俺たちに話しかけてきたのはクラスメイトの外川寧々であった。

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