第213話 気になること

 そして、次の日も同様に俺たちは放課後に集まって話し合うことになった。


 と、昨日にもまして、どことなく、横山が落ち込んでいるように見える。


 その時、前野が席を外していたので、俺と横山だけが教室にいる形となった。


「……何か、あったのか?」


 思わず俺はそんな横山にそう聞いてしまった。


 横山は驚いたように俺のことを見る。


「あ、あはは……そう見えるかな?」


「……いや、なんか……元気がないというか」


「そうだね……元気、ないよね……」


 ふと、俺は前日の中原と横山のやり取りを思い出す。それに、中原に言われたことも……。


「……中原のことか?」


 俺が単刀直入に訊ねると、横山は驚くような反応をする。どうやら、その通りのようである。


「う、ううん……違うよ。真治のことじゃないよ……」


 ……明らかにこの感じ、どう見ても中原のことのように思える。


 というか、夏祭りのときはとても楽しそうにしているように見えたが……今は違うのだろうか?


「お待たせ」


 と、そんな折に前野が帰ってきた。仕方なく、俺はそれ以上、横山に話を聞くのをやめておいた。


 それから、昨日と同様なやり取りが続く。


 結局、前野も横山も、そして、俺も考えてきたのはお化け屋敷やら喫茶店やら……ベタなアイデアだった。


「……やっぱりクラス全体に聞いたほうがいいな」


 俺がそう言うと横山と前野も賛同してくれた。


 結局、クラスでの出し物は、クラス全体に問いかけて、何をやるのかを決めることになったのであった。

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