第178話 対峙
それから数日が経った。
横山が言っていた、そして、前野も来ると言っていた夏祭りの日となった。
もし、本当ならば今日の夕方くらいには夏祭りに行くんだよな……と、なんとも俺自身はまるで他人事のような気分だった。
まぁ、また前野か横山から連絡が来るだろうと、適当なことを考えていた……その矢先だった。
いきなりスマホに着信音が響く。流石にまだ時間が早いだろうと思いながらもスマホを確認する。
「……端井?」
またしても端井だった。俺は一体何の用事かと思いながら電話に出る。
「……もしもし?」
「あ……どうも。今日、夏祭り、行くんですよね?」
「……まぁ、行くけど」
「その前に、アナタに話したいことがあります。公園まで来てくれませんか?」
「……公園? 行かなきゃ駄目か?」
「駄目です」
そう言っていきなり端井は電話を切ってしまった。かといって、俺としても特に用事がなにかあるわけでもないので、俺は端井に言われたとおりに公園に向かった。
流石に暑さもそろそろ落ち着いてきたものの、未だに油断ならない暑さであった。俺は汗を拭いながらも、公園の入り口にたどり着いた。
「……ん?」
見ると、すでに公園の入り口に誰かが立っている。一人は端井と……もう一人は男子のようだった。
あの背格好からすると見覚えのある人物で、確か……。
「来たな」
そう言って俺のことを睨むのは……横山の幼馴染の中原なのであった。
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