「ふあぁ……よく寝たぁ……」


 新しい朝陽が窓から差し込……んで来ない絶妙に気分が最高潮にならない朝。部屋が西向きで朝を気持ちよく迎えられないのが、私の部屋のデメリットだ。しかも西日で部屋の中のものが日焼けして――っと、これ以上はよそう、朝から憂鬱になりたくない。


 そんなことよりも、今大事なことは。


「もう一つの世界になってる、のかなぁ。あんなよく分からない方法でうまくいってんのかね」


 昨夜、鏡の中の私が実行した入れ替わりの方法。ただ鏡越しに手を合わせただけで、呪文や儀式を行ったわけじゃない。鏡に触れてる間、気分がかなり悪くなったり、触れてた手が左右逆になったりはしたけど……そんなのは証明にならない。


 じっとしててもどうにもならないので、さっさと着替えに取り掛かる。その最中に変わったことはないか部屋内を観察する。しかし左右反転しているものは一切なく、鏡の世界とは到底思えない。


 だが、確実に別の世界だと確信できるモノはあった。机の上にこれ見よがしに置かれている一枚の紙……国語のテストだ。しかもただのテスト用紙ではない。


「八〇点超え、だと……? 私の国語の成績は五〇点前後のはず……!? アッ、これ自分で言ってて悔しくなるやつだ」


 認めざるを得ないらしい。ここが鏡の私がいた世界だと。間違いない、入れ替わってやがるぜこいつぁ。


 ……ハッ!


「もしかするとカナが優しくなってたりしない? だったら最高なんだが?」


 これは確かめる他あるまい。そうと決まれば早速部屋に突撃し――。


「……真希姉、なんで勝手に部屋に入ってくるの?」

「ヒェッ、すんません」


 心の芯まで冷え冷えとするような猛禽の目で睨みつけられた。


「あ、いやぁ、起きてるかなぁって思って」

「真希姉と違って早寝早起き徹底してるから余裕よ。つか、深夜に何してたの? 昨日物音立ててたけど……そのせいで一回起きちゃったんだけど」


 ずいっと詰め寄りながら刑事の如く鋭い視線でこちらを覗き込んでくる。

 さてどう言いわけしたものか。初手はとにかくシンプルなもので様子見だ。


「何って、トイレだけど。行っちゃ悪いか?」

「べっつに。トイレねぇ……珍しいね、深夜に行くの。おねしょ対策?」

「んなわけないじゃん! 幼稚園児じゃねぇんだから」

「だよね。言ってみただけ」

「ちょっとは言葉選べっての」


 かなり適当に言い繕ってみたがすんなり納得してくれた。多分違うな、相手するのが面倒なだけだこれ。てことは妹のトゲトゲ感はそのまんまか……少しは丸くなっててほしかった。


 せっかくだから、と一緒に食卓につき、最近のあれこれを話しながらトーストにかぶりつく。……よくよく考えると、カナとまともに会話したの久しぶりかもしれない。


「ふふっ……」

「え、え、なに今の。なんで上品ぶって笑ったの? 控えめに言ってきもい」

「控えめでそれかよっ!? いやさ、久しぶりに話したなぁって」

「あー、確かにそうだね。部屋別々だし、生活時間合わなくなってきたからしょうがないじゃん。でも悪くないね」

「ふあぁ……カナがデレたぁ……録画していい?」

「やめろ、やったら熱々のピザ顔に投げるから。あとカナじゃなくてナツナ。可愛い方で呼んでよね」


 ごちそうさまーと私より先にトーストを平らげ、「じゃああとは学校で」と手をひらひらさせながら部屋に戻っていった。私はそれを眺めながら、また一口かじる。


「ナツナ呼び許された……しかも対応が優しい……おかーさーん、今日大雪ー?」


 そんなわけないでしょという返事を聞きながら、妹の変化を噛みしめる。

 うん、明らかに優しい。いつものナツナの会話デッキだったら「あっそ」と「で?」に加えてキレ散らかすしかない。のだが、ちゃんと会話が成立してたし、レスポンスがしっかりしてた。若干毒々しいのはこの際愛嬌としよう。


「やっぱ来たかぁミラーワールド――学校はどんな風なんだろうな」


 ここまでくると期待しかない。絶対いい方向に向いている。

 初めて学校に行くかのような高揚感を抱きながら朝食を済ませ、最高の気分で家を出た。この日の通学路は、普段の何倍も明るく活気あふれるものに見えた気がした。




 学校に着いて早々視線を集める私。残念だが身に覚えのあるタイプ、見世物小屋の人間を見る目だ。アテレコするなら「また一人さびしく登校してるよ。友達いないのかな?」だろ。……被害妄想が酷くなったか? あーやだやだ。


 だけど教室に入ってからは空気が違った。いつもなら私が入ったところで誰も反応しなかった、でも今日は何人かが見てくれて。


「三波さんおはよう!」

「マキちゃんおっはー」


「お、おはよう。みんな元気なようでなによりっすわ、うん」


 しかも挨拶まで。とっさのことでぎこちない言葉でしか返せなかった。うぅ、コミュ力さえあればもっとイイ返しができるのに。


 でも気分はかなり良い。今まで挨拶してくれたのはミユくらいもんで、他はミユに釣られてやってくれたくらい。挨拶って、いいもんだな……。


「おはようマキ。今日も無駄に元気で安心する」

「ミユちゃんおっはー。普通に好きって言えよなぁ」

「はいはい好き好き。ほら、座って」

「私の席だっての。あと雑、もっと心込めて!」


 もう教室にはミユがいて、会話の調子から察するに変わりない。昨日とは違って元気だ。んーでも、世界違うなら昨日のミユがこのミユと一緒かどうかは……考えると頭痛してきた、大人しく座って休もう。


 席につくとミユの他二、三人が周りに来てくれた。しかもなにやら興味津々で。


「ねえ三波さん、今度国語教えて!」

「な、なんで? 私より頭いいやつ多いじゃん、そっちに聞けば――」

「この間のテストの超難問、正解したの三波さんだけじゃない。だったらそっちに聞くのがベストでしょ?」

「お、おー、そうだね。なるほど」


 家に帰ったらテスト見返そう。なんのことかさっぱりだ。

 一応元の世界の方でもテストを受けた記憶はある。ただ書くこと自体に手間取りすぎてまともに解けなかった。綺麗に書くのって難しいよね。ちなみに国語は得意教科ではある。それでも平均点なんですけども。


 また他の子は。


「あの、今日お昼一緒してもいい? マキちゃんのお話聞いてみたいし」

「はぁ、全然いいですけど……ちょっとミユ、私のことなんか喋った?」

「べっつに。前に体育でテニスやったじゃん? そん時にマキがこの子褒めてたって言っただけ」

「結構的確に褒めてたって、嬉しかったです。あの、テニス詳しいんですか?」

「見る専門だけどね。ごめんね、上から目線みたいだったっしょ?」


 そんなことないです、と手を振るその子。よっぽど嬉しかったようだ、全然憶えてないけど。テニスかぁ……いつの話だろう。先月、よりは前かも。


 そのあと朝のホームルームが始まるまでその子たちの話相手になり、普通に仲良くなった。クラスメイトにも素直な人間っているんだなぁって思った朝だった。他がひねくれてるか不良予備軍しかいないからね……。


 ――しっかしなんだろう。とても違和感がある。それは至極当然の感覚なんだろうけど。


 違う世界ともなればおかしくて然り。昨日まではこんなこと一回もなかった。私がぼっちこじらせてたのもあるけど、私を見ている人はいなかったような。いたとしても、バカにしてネタにするための好奇の視線だけ。


 なんとも都合がいい。それを望んだ私がいうのも何だけど。

 うまく行き過ぎている、というのも少々問題だな。逆に勘ぐって不安になるだけだ。


「――キ、マキってば」

「ぅん? あっ、今気づいた、なんか用?」

「いや、心ここにあらずって感じだったから。そろそろ授業だよ」

「……確かに。ありがと、助かったよミユ」

「気にすんなって。お互い様っしょ」


 爽やかに笑うミユの笑顔で我に返る。そのつもりはなかったけど、相当ぼーっとしてたみたい。しっかりしないとなぁ。


 今考えるのは得策じゃない。授業に集中しなくちゃいけない。苦手だからといってやらない理由にはならないだろ、苦手だからこそ向き合わなくては。

 むしろ、新しい世界に来たからこそ、一新した気持ちで挑むべき。と思う。ここで克服できれば、私はようやく胸を張れる。


(よし、やるぞ。私もやればできるんだからさ!)


 ――それでは、授業を始めます。


 先生の一声で気持ちを引き締め、私はペンを手にノートに向き合った。




 昨日までより真剣に取り組む授業。見せかけじゃなく、不思議と精神的にも集中できていた。


 出された問題がすらすらと解ける。動かす手が止まることはあっても、理解できないからではなくて、頭の中で解いてる最中だから、というもの。しかもいつもより書く手が軽く感じる。


(すごい、なんか分かっちゃう。この間まで全然分かんないやつだったのに)


 余計なことに思考がいかない感じ。普段は別の何かを無意識に気にしていたようで、今日はそんなことがなく目の前のことにだけ集中できている。これが新世界パワーなのか!? 全然わからん!


「――じゃあここの問題を……三波さん」

「……あっ。は、はいっ。なんでしょう」

「この問題、解いてくれる?」


 ノートに向かうのも大事だけど、黒板の方にも注意を向けないと。しっかりしろ私。


 先生に呼ばれ前に出る。席の間を抜ける最中、気分が悪くなる視線と囁きがあったが、気にすることはない、と言い聞かせて無視した。


 黒板の前に立ち、出された問題を見る。最初はちんぷんかんぷん、しかし次第に頭の中で解答が構築され……意識せずして左手でチョークをつまみ、答えを書いてみせた。


「はい、できました。これで大丈夫、っすかね」


 動かす手を止め先生を見る。しばらく私の答えを見て、うんと大きく頷くと。


「正解。無駄が少ない、模範的な解答といえるでしょう。すばらしいです」


 とストレートに褒めてくれた。教室内は感嘆の声と舌打ちの二派に別れていた。舌打ちされるくらい、私を嫌うやつらの期待を裏切れた、と前向きにとらえよう。気恥ずかくなり頭を掻きながら私は自分の席に戻った。


(褒められた……こうやって言われるのいつぶりだろう。いやぁでもちゃんと解けてよかったな)


 初見では解けるか不安だったけど、終わってみれば実にあっけないものだ。

 手についたチョークの粉を落とすべくカバンに手を伸ばした……のだけど、指がちらっと見えた時、私は思わず首をかしげた。


(あれ、ついてなくない? どういうこっちゃ)


 いやさっき使ったでしょ。と思い右手を何度も確かめる。気付かないうちに制服でぬぐったか? とも思ったが、実際はそんなことではない。もっと簡単な理由だった。使った手が逆、左手だっただけのこと。


「左、か。これも久しぶり……」


 ――元は左利きの私だが、随分と昔に右利きを強制させられたことがある。それをひきずっていて、なるべく右手を使うようにしている。今は意識しているうち――ペンや箸を持つ時――は右だけど、反射では左が出る。


 長いこと右手で生きているけど、実はいまだに慣れていない。書く時の力の入り方を制御しきれず、鉛筆やシャーペンの芯をしょっちゅう折っている。ならば左で……とすると、過去のことがぶりかえして書けないことが多く諦めていた。


 しかし今は、ごく自然に使えている。右の頃より丁寧で早く、意識しなくてもしっかりと。


 もしかして、頭ではまだなだけで身体の方は適応しているんじゃないか? そうすれば利き手問題も、まあ多少強引だが納得できる。

 ……忘れかけてたが、鏡の私と入れ替わったのだからね。精神だけが行き来しているのかもしれない。適応したんじゃなく、私の『元は左利き』の無意識に、もう一人の私の『左利きの身体』とで合致したとか。


(まあ色々考えられるか――じゃなくて、今授業中。調子いいなら調子乗ってかないと。好感度はたんまり稼がないとね)


 小難しいのは、やっぱり後回し。そもそも私の分野じゃないし。


 集中するぞ、と決めたら本当に集中できて、あっというまに授業が終わる。疲労感はたいしてない、有意義だったなぁと思えたほど。

 ――この世界への「都合よすぎてなぁ……」という疑念はいつのまにかどこかへ飛んで行っていて、ご飯を食べて頭に栄養が行くまですっかり忘れていた。






 その後も身を入れて授業に挑んだ。自分でも驚くほどの集中力を発揮し、かつ問題の正解率も高かった。体育なんかもやったのだけどそっちも好調、テニスでイイ感じに動けて褒められることが多かった。


 ただ、やっぱり違和感がぬぐえない。褒められ慣れてないからだと思うのだけど、クラス内……どころか、この世界に対して居心地の悪さを感じる。


 ――まあ、世界全体への考察は一旦後回しにして。


「いやぁ終わった終わったー! ねぇ三波さん、この後ヒマ?」


 授業が終われば放課後が来る。クラスメイトの大半は部活動のため教室を飛び出し、部活をしていない(あるいはサボっている)面々は教室に残って駄弁っていた。なお私は後者だ。


 私が一人寂しくしているのを見つけた子(今朝勉強教わりに来た子)がニッコニコで絡んできた。放課後なのに元気そうでなにより。


「まあ、ヒマっすね」

「聞いておいて何だけど部活は? 私は入ってないからいいけど」

「入ってるけど活動が最近停止気味で。別に気にせんでええよ」

「そっかぁ! じゃあ遊びにいこう!」

「いきなりだな!? ――わっ、ちょちょっと!」


 その子は返事を聞いてすぐ私の手を取り、強引に学校から連れ出す。強制力がすさまじく、抵抗かなわずがっつり放課後ライフを堪能することになった。


 ――ユズというその子は中々アクティブなタイプ。私とは真逆のバリバリの陽キャで、おしゃれな店を見つけては突撃して小物を物色し、おいしそうなスイーツには目がないようで、記念撮影をすませてからぺろりとたいらげていく。お店の記録と称してSNSもばっちりやってるらしい。


 私は終始振り回されてばかりだった。でも今まで知らなかった世界に触れられて楽しかった。これまではミユの暇なときにゲーセン行ったりファミレス行ったりだけだったから、こういうのも……うん、悪くない。


「いやー制服着て歩くの楽しー。特別感あるよね」

「分かる気がする。私服とは違うよね、背徳感ってーの?」

「そうそれ! 学校終わってるから悪いことなんてないけどね。でもちょっと遠慮しちゃう」

「遠慮してんのにクレープ三つとパフェ食べるのか……胃袋壊れてないか……?」

「フツーだって。三波さんももっと食べればいいのにー」


 そう言って腕に絡みつきながら私のほおを突っついてくる。ユズさんや、さすがに距離が近すぎやしませんかね。距離感バグってない? 私目線だとほとんど初対面なんですけど大丈夫ですか。


 長いこと引っ付いていると、ユズさんから漂ってくる甘い香りで若干胸やけしてきた。こういう時うまく言い繕うのが苦手な私は、最も簡単な方法で離れることに。


「あのー、ユズさん」

「ふふっ、ユズさんだって。ユズでオッケーだよ、タメなんだし」

「ならユズちゃん。その……お手洗いに、行きたいのですよ。なので腕を解放してくれませんかね」

「んー? あっ、そうだね。じゃああそこのベンチで休んでるから。行ってらっさい」


 ……簡単に開放すんじゃん。まあそうしてくれなきゃ困るんですケド。


 あとでね、と一言残してそそくさとトイレに駆け込む。用を足すわけでもなく、鏡に向かいながら呼吸を整えるだけ。

 ずっと鼻腔を刺激していた甘い香りが徐々に抜けていき、元の調子を取り戻すことに成功する。つまり少しネガり気味の私だ。


「悪うない、ただ甘すぎるんよあの子……ゆるゆるめなのに元気っ子って、盛ってない? キャラ盛ってないか? まぶしい、私にはまぶしすぎる……」


 陽キャの友達がいる感覚はこんなもんなのか? それとも耐性がなさすぎるだけなのか。同じクラスにいるのに同じ世界の住人な気がしない。


 違和感は他のものじゃない、私が原因だろう。日陰にいた人間が急に日の下に出て行ったんだ、そりゃ噛み合わんさ。

 身体は適応した。だが精神面が追い付かない。遠い場所を双眼鏡で覗いているような気分。


「人気欲しいってのは、ちょっとだけでも高望みだったかな。私には不相応すぎたな」


 今日の出来事は確かに私の頑張りの成果かもしれない。授業はちゃんとやったし、ユズちゃんと遊ぶと決めたのは私自身。

 とはいえ、だ。あえて例えるなら、趣味でほんの少ししかピアノ演奏できないのに結構規模のでかい演奏会に出る感じ。多分違うけど、何が言いたいかってとにかくキッツイってハナシ。


「クッソ……こんなんじゃいつまで経っても陰口言われるだけの……」


 やり場のない感情がだばーっと溢れてくる。

 ため込んでいられず、衝動に任せて鏡を殴ろうとした――その瞬間だった。


『やあ私! そっちはどんな調子かな?』

「うおっ。えっ、おまっ!? なんで!?」


 鏡の中の私が突然笑い出し手を振ってきた。完全に虚を突かれズザザーッと後ずさって壁に後頭部と背中を強打してしまう。

 頭をさすりながら鏡の前に戻り自分を見つめる。最初は私をそのまま映していたが、数秒程度の間を置いてまた勝手に動き出した。


『今のウケたよ、さいっこうにね。この間話したばっかだろ驚きすぎ』

「出かけた先だぞ! こんな場所で会うなんて予想できるかよ!」

『いやいや、私は鏡ですから。そっちの行く先にいるに決まってるじゃん?』

「……それもそうか」

『そういうことだぞー』


 自分にマウント取られるとか、キレそうだけどなんっとも言えん。自問自答の極致やばすぎる。


 ――にしてもなぜ今出てきたんだろうか。わざわざ声かけるほどでもないだろうに。


 私がその疑問を抱くと同時に、鏡の私は不敵に笑う。

 そして次の言葉で、私は凍り付くことになる。


『居心地悪いだろ……環境に感覚が追い付かないってのは。なぁに手間取ってるんだ、私――いやお前は、何も変わっちゃいないのにさ』

「…………え? か、変わってない、って?」


 変わっていない。それが一体どういう意味なのか。……いや、そのままの意味なのかもしれないけれど、その時の私には全く理解できなかった。


 ――気付けば、鏡に映るのは余裕のある私じゃなく、戸惑いを隠しきれずうろたえている私になっていた。

 陰に一人でいる私。人付き合いが苦手な私。すぐにキョドって、勝手に不安がる……ありのままの弱い私。


「こういう時にこそ、なんか言ってくれ、『私』……」


 ありもしないものにすがるように、私は鏡に手をつく。


 鏡は、ただ冷たいだけだった。

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