バジル・レシート・ライトセーバー
年末を過ごすための買い物は随分と大きな荷物になってしまった。これも休みの日が多い今年の年末年始を過ごすためのものだ。仕方がないと言える。レシートを見返しているとあるものがないのに気が付いた。バジルだ。色合いと風味付けのためにクリスマスには用意しておきたい一品だ。それを買い忘れてしまうとは失態にもほどがある。しかし、この荷物のままお店に戻るのも得策ではない。特にこうやって両手がふさがっているときには。
なので、諦めることにした。まあ、もう一日くらい買い物をするチャンスくらいはあるだろうと思う。その時に買えばいいさ。
そんなことよりクリスマスのプレゼントを買いに行かなければいけない。子ども希望はなぜかライトセーバーだった。星間戦争で使われている剣の事だ。いや、実際に使われている奴じゃなくて、おもちゃとして発売されているやつ。スイッチを入れると明るくなり、振るとブオーンと音がなるやつ。
令和になってまでエピソードが追加されるなんて思いもしなかったので、発表されたときは驚いた。最初の三部作をリアルタイムで見たわけではない。次の三部作が発表されたときに一緒に全部見た。まさかそれを今になってまた行うなんて思いもしなかったし、隣に自分の子どもがいるなんてそれこそ思わなかった。
まあ、そんなわけで今年のクリスマスプレゼントはライトセーバーになったわけなのだが。
「すぐに使わなくなるよねぇ」
声に出してしまうくらいには、旬が短いものだと思う。何日振り回してくれるものか。いや、振り回しすぎても困るのだけれど。なかなか難しい問題だ。
それにだ。この大荷物のままライトセーバーを売っているお店に出向くわけにはいかないのだが、歩きで来ている以上どうすることもできない。しかし、家に帰ってから買いに行くとなると、子どもの帰宅に間に合わない可能性がある。帰ってくるまでに隠さなくてはならないのを考えるとそれも避けたい。
したがって、この大荷物のままライトセーバーを買いに行くことにしたのだ。
そいうして大きな荷物にライトセーバーの大きくて長い箱が加わった。そうしてから思うのだ。こうなるならバジルくらい買いに戻っても良かったなと。そう思いながら帰路をひとり歩いた。
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