雨上がりのきらめき
ふと目を開ければ 光の世界
濡れた石は艶やかで
揺れる葉色が 目に焼き付いた
吸い込まれそうな空に手を伸ばす
見えないはずの風が光り輝いて
腕に指に触れ 戯れて過ぎゆく
透き通る川は 流れる水晶のようだった
輝きにあふれた 雨上がりの世界
なにもかもが洗われたあとで
世界中からきらめきをかき集めて
ひとつにまとめたかのような
光を彩る 鳥のさえずり
羽ばたいてどこかへ 旅立っていく
ああ きれいだな
言葉がこぼれる
ほんとうにきれい
ささやきが聞こえる
隣で微笑む 見ず知らずの君
その横顔が あまりに眩しくて
ああ これを恋というのかな
ついそんなことを考えると
君もこちらを振り返った
赤く頰を染めた君
ぱちり 目が合って
慌ててそらして
心に宿った輝きを抱えた
恥ずかしくって逃げ出した
君も反対のほうに駆けていく
家のほうへと走りながら
小さな声で呟いた
いつかまた 雨上がりに
あなたと再び会えますように
ドロップスの缶 秋本そら @write_cantabile
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