07.
何も、存在しない。
どこまで行っても、貼り付けられた透過画像と処理背景。オブジェクトの中身は、すべて空。
「まずいな」
時間軸がどれぐらいの繋がりなのか、分からない。
夢なら、現実と異なる時間の流れは経験したことがある。夢の中で一生を過ごして、死んで、そして夢から覚める。そういう夢だった。
今ここが、それと同じなのか。分からない。手がないので、腕時計もない。
焦った。
なるべく早く見つけないと。
しかし、何も、出てこない。
頭を打ったのなら、それなりの早さで起き上がりたかった。筋肉が強張れば、動きも鈍る。
「何もないな」
何もない。
「そうか」
何もないのか。
「何もないことが、手がかりか」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます