06.

「他の異世界転生希望者も、こんなところにぶちこんでやればいい」


 異世界なのだから、人のいるはずがない。何もない、ただの空間に転生して絶望するのが現実に即しているだろう。きっと、死ぬよりもつらいはずだ。


 そういう、異世界転生をしたがるような人間が、相手だった。


 だからこそ。きっと、ゲームのなかに、ありもしない希望を並べ立てているはず。


 自分の頭のなかで高度に再現されたゲーム世界。絶対的な、孤独。


「どこだ。どこにある」


 そのなかで、手がかりを、探す。


 奴らの希望になりそうな、何かを。

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