第九話 帰還とトラブル


俺達は無事依頼をこなし、村で祝杯をあげた後、依頼達成報告のため冒険者ギルドへ帰ってきた。


「ふぅー、疲れたな仕佐」


条夜は扉を開けると同時に仕佐の肩に手を掛けた。


「誰のせいだよ!誰の!」


仕佐は苦笑いしつつ、突っ込んだ。中へ入るといつもより活気だっているように感じた。するとギルド受付員の人が仕佐達に気付いたみたいで、声を上げて近寄ってきた。


「心配しました!捜索隊を送ったのですが……大丈夫だったみたいですね」


ほっと、胸をなで下ろした。


「迷惑を掛けてすいません……えっと、」


仕佐はまた、謝った。


「あ、私はセルナ・ミスティーナスと言います」


仕佐はさり気なくギルド受付員の名前を聞いた。



『(流石は仕佐だね。家族が仕佐と父親以外女ってだけはあるね)


それ、褒めてるのか?


(褒めてる、褒めてるよ笑。ボソッ多分、恐らく、きっとそうだろう……)


それで、なんの用かな?「特殊?」のスキルを使ってもないのに、突然出てくるのはなんなんだ?


(……えー、良いじゃん創世神なんだからさぁ)


いやいやあんたが神?なわけ笑


(え?……信じてないのか……それはそうと、1つ助言をさせて貰おう)


は?


(…………君たちが楽でいられるのは、君たちがまだ標的ターゲットになっていないからだ。そのことを肝に銘じておけ)』


――プツン



え?……どういうことだ?それに最後の言葉だけ声質が違った。と言うことはあの自称神以外にも居ると言うことなのか……?


すると、長考していたせいか不意に肩を触られてビクッとした。


「……あの、どうかなさいましたか?」


「え、あ、いや、何でもないです」


僕は少し戸惑いながら応えた。


「なあ、ゴブリン討伐の依頼達成の承諾を……」


「はい。カウンターに行きましょうか」


そして、僕たちは無事依頼達成の承諾を貰い、そのままの足で宿屋ライムに向かった。

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