第八話 昇級試験と少女 2
すると影兎はこっそりとその娘を鑑定した。
職業 ? ??? Lv2 状態 奴隷
Hp60/60 魔力72/70 素早さ12 筋力5 知力10
属性 風
スキル 聴覚拡張A 解析眼B 予知眼B 風の加護
索敵B
魔法 風刃D 応用魔法【風見】
え?名前がない……それに状態が、奴隷?こんな小さな娘が?!咲夜に……いや、もう知ってそうだな
影兎は咲夜の顔色を窺い独断で判断した。すると空から目映い光が降り注いできた。上を見上げると屋根との隙間から太陽光が漏れ出ていた。
「ん?眩し……」
さっきまで薄暗かった路地裏は、餓えから助けられた生物のように明るくなった。
なんで?さっきまであんなに暗かったのに……あ、なるほど。いつの間にか昼になったのね
咲夜は安定の推理力で太陽が真上に行ったことを察した。
「とりあえずさ……へっくしゅ!……」
影兎は肝心なとこで寒さに負けてくしゃみをしてしまった。影兎は羞恥心で顔を赤らめた、だが熱を引いているため客観的な印象では風邪が悪化したようにも捉えることが出来た。
「大丈夫?えっちゃん。顔が赤いし、熱が出て来たようにも見えるけど……」
影兎は平気、平気と手を振りつつ、ズルズルと音を出しながら鼻を擦り――大丈夫だアピールをした。咲夜はそっと影兎のおでこに手を当てた。
「……熱っ?!え、いや全然平気じゃないでしょ!」
影兎のおでこはかなり火照っていた。咲夜はそっと、影兎に触ろうとして――失敗する。影兎の身体がゆっくりと咲夜に近づいて来たのだ。咲夜が混乱する間もなく、影兎は咲夜にもたれかかった。そして足から崩れていき、膝が地面に着いたところで咲夜は察した。
もしや、風邪が悪化した?!
このままじゃマズいと思った咲夜はなんとかしようと頭をフル回転させた――――
『(悪いがここから先は“
『(そ、そう言うわけだから、仕佐達の方に戻すね)』
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