37-記憶の約束

「昨日だってさ、あのお姉ちゃんにデレデレしててさ、由比、見てたんだからね。」

「主(涼音)より、あのお姉ちゃんの方がよかったの?」


 僕は由比に真っ直ぐに責められていた。


「由比、そうじゃないんだよ……。」

 僕は由比に自分の想いを語って聞かせた。


 僕が涼音が一番大切に想っていること。

 ピュアを理解した上で涼音が必要だと思い至ったこと。

 昨夜からずっとずっと、涼音が戻るのを待っていたということ。

 その待ってる時間は、自分の無策に絶望を感じていたこと。

 そして、本当に主が戻ったら、安心して力が抜けてしまったこと。


「あの優しい嘘芝居で、どれだけ僕が涼音を待っていたか、戻って嬉しかったか見てたろ?」

「あの嘘のせいでもあるんだからね、あれで僕は、喜びのエネルギーまで使い果たしたんだからね。」


「……うん、ごめんなさい。」

「ううん、由比達は全然悪くないよ、逆にありがとう……。みんなが僕の事を心配してくれてたの判るから。」

「それに、僕は由比だって大好きだしさ、信頼してる。」

 僕は由比への想いを語って聞かせた。


 由比はいつも涼音の為に真剣で真っ直ぐ行動してること。

 自らの犠牲も厭わず、涼音の為になろうとしていること。

 今だって、涼音の為に真っ直ぐ僕に向かってきたこと。

 そして、僕と一番長い時間、お話をしている人格は由比だということ。

 僕はそれらを見てきた。


「僕は、そういう由比を見てきてるから、信頼してるし大好きだよ。」


「だからね、僕は由比に約束するよ、由比にだからできる約束なんだ。」

「涼音のことは、僕も含めて沢山の人が覚えてるけど、由比達のことは僕くらいしか知らないよね。」

「消えて欲しくないけど、いつ消えちゃうかもわからないよね。」


「だから、僕は約束するよ。」

「僕は、由比と、由比だけじゃなく涼音の中で出会ったみんなのことを、みんなが生きてたってことを、一生覚えておくよ。」

「僕はね、涼音と違って記憶力ないから……、どっかに書いておこうかな。」

「由比達がいたことを、僕は絶対忘れない…約束するよ。」


「……うん、忘れないでね。」

 由比のその返事は、由比がみんなを救う為に消失する直前、必死に僕に訴えてきた言葉とだぶっていた。

 ……あの時、由比は必死に僕に訴えた『由比のこと忘れないでね』と、あの言葉、あの声が、あの響きが、僕の中から消える事がなかったから、この約束を由比としようと以前から決めていた。



月乃//

みんなのまとめ役にして、みんなの頼れるお姉さん…怖いけどね。お料理上手だったり、可愛い女の子みたいな面もある。友人自殺の責任感から生まれた人格。


月斗//

怠惰だけど、イザってときはしっかり働く、みんなのお兄さん。怒りの代行人格。月乃の双子の兄として月乃をサポートする為に生まれた人格。


美理//

みんなと同じ領域から全体を見守る、自称コアのひとつだという人格。僕と涼音に気持ちを通わせてくれた恩人。そして由比と特別なつながりを持つ。


桜花//

主と記憶を共にする特別な存在。明るくて脳天気で、涼音の社交用人格。その記憶から、涼音が落ちた時へのフォローには欠かせない存在。


りさ//

素直でかわいい女の子(幼女と言うと機嫌悪くなる)、みんなの癒し。そして、僕が涼音の多重人格を知るきっかけ、全ては彼女から始まった。


由比//

明るくて、真っ直ぐで、自らの犠牲も厭わないで涼音を守る大切な子。時には涼音の代弁者にもなる。涼音の痛みや苦しみを引き受ける人格。


まお//

ちょっと不器用だけど我慢強い子、涼音の苦しみを引き受けてくれる人格。切りたくなっちゃうけど、最近は我慢できるようになった。


美雪//

性的トラウマから生まれた、エロい人格。性的な部分で主を支え守ってきたお姉さん。最近はちびっ子達に性教育してるらしい。


美緒//

明るくて元気なJK、高校生時代の退避人格だったと思われる。最近では、リアルで嫌いな人の撃退兵器になってる気もする。……運動神経も良い。


ましろ//

元人格クラッシャー兵器、涼音の僕への想いから転生してきた。お父さんっ子、僕にとっては大切な子供のような存在。


みー//

自殺衝動などをから逃避人格。「みー」しか言わない。言葉を使わない分、とっても勘がするどく、危険から涼音を守ってくれる。一時的に言葉を使っていた。


時雨//

鏡の領域から涼音を支える存在。元々は鏡に作られた兵器人格。由比・みーは彼女に再生されて救われている。その声と聴覚は不思議な力を持つ。


琴音//

別領域から人格全体を見渡してアドバイスしてくれる、大きな力を持つ存在。

……文学的表現が好き。


沙緒//

傍観者……文字通り傍観していて、稀に運命を見通したような言葉を呟く。


鏡//

自称、裏人格にして涼音の人格を作ったオリジナル。人格を作ったり、涼音を含む人格への影響力がある。ゲームを楽しむように人生を眺めながら終焉を待つ。


ティア//

孤独や寂しさから生まれたと思われる、人恋いしい思念のような存在。

人が離れて行くことを嫌う。


ドロップ//

イジメによる他人への嫌悪から生まれたと思われる、全てに絶望してる思念のような存在。たぶんティアと同じ起源を持ち同時に生まれた。


涼音/ピュア//

涼音の中にある全ての嫌な記憶を除去したような存在、素直で純粋すぎる。その雰囲気は、りさが大人になったような印象。意外に芯が強い。


 ……みんな、大好き、そして大切な存在……。みんなの事は絶対忘れない。

そして、この先に出会う人格達のことも忘れない。


「じゃ由比、涼音と話すよ、僕がんばるから。」

「うん !いつきさん、またねー!」」



「涼音……ほんとうに、おかえりなさい。」

 彼女は、静かに僕を見つめてくる。

 僕は彼女の目の前に腰を降ろして、彼女の頭を撫でて言葉をかける。

「僕ね、ほとんど徹夜で待ってたんだ、それでね、ごめん疲れちゃった。」

「涼音が戻ったって思ったら、一気に力抜けちゃってさ、安心したんだ。」

「だから、ごめん、少し眠らせて。」


 彼女の顔には元気が戻ってきたような気がする。

「うん、お父さんありがとう、疲れてたのわかるもん、大丈夫。」

「ここじゃ眠れないでしょ?ベットで寝よ……その代わり腕枕してね!」


 僕はすぐに深い眠りに落ちていった。




 お昼過ぎに目覚めた僕は、涼音に昨日のことを話していた。


「理想的な涼音がピュアだったよ。」

「ちょ! 私が理想的じゃないみたいじゃん!」

「ううん、そういう意味じゃなくて、全てのトラウマを除去した涼音だったってこと。」

「ある意味、涼音の願いが叶ったような理想的な存在だろ?」

「でもね、ピュアはトラウマを持たない代わりに、世の中の汚い事を何も知らない……、たぶんすぐに傷つくと思った。」

「やっぱり僕は、いろいろ見て経験してきた涼音じゃなきゃダメだと思ったよ。」


「そうよねー、綺麗ごとだけじゃ生きていけないもんね。……汚い私がイイってことね。」

「いや……、そういう事じゃなくて……、そうかもしれないけど(苦笑)」


 そう、ほんとうにね、綺麗なだけでいられたら、どれだけ良いか……。

 僕がこの世界に諦めを感じる理由でもある……。僕自身が生き延びる為に、すごい汚れちゃってるけどね。

 そして、やっぱりピュアの状態は、涼音が心のどこかで願っていた状態が現れたんのだと思う。願いが叶った涼音は、全てが綺麗すぎた。



「ね、ちょっと試していいかな、ピュアにちょっと魔法仕込んでいたので……。」

「魔法?何それ?」

「暗示みたいなもの、それ聞いたら出てきてねって、復活の呪文みたいなやつ。」

「へー、いいよ。」

 涼音はすぐに承諾してくれたけど、僕には成功するかどうかわからなかった。

 だってピュアが涼音人格の記憶喪失状態であるなら、もうピュアは存在しない可能性が高い。

 普通なら、記憶喪失状態を再生しようなんては思わないけど、長い時間一緒に過ごしたピュアは、僕にとって魅力的過ぎた。


 とにかく試してみよう……。

「二人ですごした雨の朝」

 僕は彼女の頭の奥に届くように、耳元でささやいた。


「はい、覚えていましたよ、樹さん。」

 あっさりピュアを呼び出せてしまったことに驚いた……。やはり独立した人格?。

 感覚を聞いてみると、今朝までとは少し違うという、頭の中にぼんやりもう一人いるのを感じるという。


 後で涼音に聞いたら、涼音も同じような感覚らしいけど、他の人格達と違い限りなく自分に近いか同一だと言っていた……。

 同じく自分に近い存在である桜花よりも近いって感じたそうだ。


 やはり、微妙に解離した存在ということなのだろうな……。

 あるいは、僕がこうして呼び出した事で、解離を定着させてしまった可能性もある。時雨が言ってた、僕の声の影響力が働いてしまったかな、変なモノだけは定着させないように気を付けなきゃだね。


 僕は、鏡(裏人格)に確認すれば、その辺がはっきりするという事に気付いた。


「フフ、どうしました?」

 ブレない悪役雰囲気で登場、僕も悪人顔しなきゃだね。


「今、消えたりしてた?」

「いいえ、何も変わった事はありませんでしたよフフ。」

 ということは、やっぱりピュアは解離しちゃった別の存在ってことになるかな。

涼音本体の記憶の一部が飛ぶなら、昨日のように鏡が消えてる可能性の方が高いからね。


「でも昨日は、封じられていましたよ、いろいろ大変みたいでしたねフフ」

 消えたとか融合してたんじゃなくて、そういう感覚だったのか……、はっきり言って僕には判らない感覚。


「そっか、昨夜は鏡をいくら呼んでも出てこないから、一応は心配してたんだぞ。」

「フフ、それは感謝しておきましょう。」


「話は変わるけど、時雨がティアの入れ物作ったの知ってるだろ?」

「フフ、まさか涼音が入れ物ごと壊すとはね。」

「やはり、時雨の声と聴覚くらいでは、入れ物としては脆かったのね。」

 やっぱり鏡は大ボスって感じだよね……。


「でも、そのおかげで雪村とは切れたし……いいんじゃね。」

「フフそうね……。」

「鏡って人格作れるだろ、入れ物作れないの?」

「作れますよ 少し時間かかるけどフフ。」

 やっぱりか、人格を作れる鏡ならできるかなと思ったけど、アタリだった。

 入れ物は人格だって聞いてたしね。


「なら、僕が頼んだら作ってくれる? それ借りにしてもいいから。」

「いいわよ」

「じゃ、その時はお願いするから頼むよ。」


 これで僕には、ティアとドロップを呼び戻す保険が蘇った事になる。

 もちろん、直ぐには戻さないけど、……やっかいな記憶やトラウマも同時に戻ってくるだろうからね。

 どんなに早くても、涼音の仕事の5月の締め日まではダメだ。何かあったらクビの可能性あるし、……ただでさえ大変なのに、この上で生活のベースまで失ったら支えきれない。


 涼音と涼音の周辺状況をよく見極めて、タイミング良くティアとドロップを戻そう。ティアだけじゃバランス悪いけど、ティアが持っていたものは、人として大切なモノも含まれると思えるから……。たぶんドロップと一緒に戻せば大丈夫だと思う。

 中の人(別人格)だけに任せておくと、またティアだけって状況になりそうだし、この鍵は僕が預かろう。

 ドロップの必要性を、みんなが理解してくれると良いのだけど。




「お父さん、今日ケーキ買って来て!」

 夕方近く、涼音が突然リクエストしてきた。


「え?今日何かあったっけ?」


「知らないなら秘密!」

「なんだよ……。だいたい僕のお金で買ってくるんだろ?」

「大丈夫!、絶対損したって思わせないから!」


「なんなんだよ……。あ!なら一緒に買いに行くか?」

「うん!」


 そして、恒例の服選びゴスロリ・ファッションショーが始まった。

 夕方になるし、急がせたら、「じゃこれでいい!」って一発で決定してくれた。

 深い紺色に淡い縦ストライプのワンピース、スカート裾・袖・襟と胸元のリボンの白が効いていてかわいい。

 派手過ぎず良いと思うけど、やっぱり可愛いので、一緒に手を繋いで歩く僕の違和感というか犯罪者臭が半端ない。



 鶴見まで行って、二人であちこちのケーキショップでケースを覗き込む。

 そういば、二人でプライベートな外出なんて久しぶりだった。最近、それどこじゃなかったからね……本当にこの2週間くらいは緊張しっぱなしだった。

 小さい9cmのケーキに決定、イチゴとか飾り付けがすごくかわいい。値段はすごくかわいくないけど……。


 さすがにケーキだけじゃ足りないよね、ホタテたっぷりコンソメスープスパゲティをささっと作ってみた。安く簡単だけど、それなりに見た目も良い。

 もちろん、ピュアみたいに「手伝います」なんては言わないのが本来の涼音クオリティ。



「さて、今日は一体なんなの?」

「えっとねー、……。」

「父さんが、SOAの私のパーティに初めて来てくれた日だよ。」

「出会ってから1年だよ!」


「よくそんなの覚えてるね、さすがチート級の記憶力。」

「エヘヘ、その時のスクリーンショットもあるよ、私、初めての会った人とかの全部保存してるから。」


 あれ?ティアがいなくても、そういうの大切にする気持ち残ってるのかな……。

 これは、やっぱり僕も急がずに様子を見るべきだね。


「でも、本当はね昨日だったんだ……、私落ちちゃってたから……。」

「そうだったのか……。なんかごめんね。」

 昨日、長い時間放置したから、あんなことになったのだという罪悪感があった。

本当は、昨日こうしてお祝いしたかったんだね、なんか本当にごめんね。


「それでね……」

 涼音、なんかモジモジしてるし。


「ねえ、約束して、恥ずかしいから、私がいない時に読んでね。」

 彼女はそう言って、かわいい封筒を差し出した。けっこう厚みがある、何枚入ってるんだろうか……。彼女の気持ちがそれだけ詰まってるってことかな。


「手紙?……今時珍しいね、うん。居ない時にこっそり読む。」

「うん、何度も書き直して時間かかっちゃった……。感謝の気持ち書いてあるよ。」

「ありがとう、手書きとか、今時だから逆に凄い嬉しいよ。」

「エヘヘそうでしょう!」

 そう……、涼音は褒められたりした時に謙遜したりしない、素直にドヤ顔してくる……。表現方法は違うけど、やっぱり今の涼音も素直なのだ。


 なるほど、これはケーキ買って来て損した気分には全然ならないや、本当にありがとうだね……。こういうトコあるから涼音の親バカやめられない。親バカでいいや、バカップルでも何でも、可愛い娘の為ならしちゃいましょう。僕も何かしなきゃならないのかな……、ケーキ買ってパスタ作ったの僕だからいいかな。



 ケーキはカットせずに二人で横並びに隣に座って、一緒に食べていった。

 大切な人と食事するとき、カウンターみたいに隣あって座るの好きなんだよね。

 距離も近いし、おかずの交換も簡単、小声でも会話できると良い事だらけ。


 そして、僕はピュアでの成功を思い出して、イザって時に涼音を呼び戻せるように涼音にも魔法(暗示)をかけてみることにした。

 キーワードは『1年目・二人の夜』。このワードを聞いたら、この夜の記憶を持つ涼音が目覚めるって暗示をかけた。使わないで済むのが一番良いのだけど、使つことになる予感がする……。それも直ぐにね。



 楽しい時間はあっという間、気付けばもう午前1時になってるし。

 いつものようにベットの上で天井を見上げる僕、僕の腕を枕にする涼音。


 そうだ!、僕にはティア・ドロップを戻す目途がたったのだった、寝る前にこれも伝えておかなきゃだね。

「ところでさ、記憶無くしたりって、不安で怖かったりするんだろ?」

「……うん、正直言うと何かが欠けてるみたいで、すごく不安、そして怖い。」

「自分に何があったか、自分が知らないってすごく怖い。」

「僕はね、たぶん涼音が忘れてる事を覚えてるし、それだけじゃなくて、全てを取り戻す鍵も持ってるんだ。」

「すぐに、全てを思い出すと、危ない記憶もあるってのは判るよね。」

「うん。」


「だから、待っててね……。」

「僕が涼音をしっかり見ていて、思い出すべき時がきたら、全て思い出させてあげるよ。」

「だから、それまでに焦って、アブナイ記憶を思い出さないようにね。」

「実際、地雷踏んで涼音がショック落ちすると、その後が大変なんだからね。」

「1時間くらい、ずっと声かけ続けてやっと戻ってくれたりとか…。」

「ごめんって……」


「日々に必要なことは、ゆっくり思い出せばいいし、僕も教えるから。」

「僕が預かってる記憶は、返すべき時がきたら、全てを涼音に返すことを約束するよ……。それから、たもっと大切なものも返す事になると思う。」

「だから、不安で怖いとは思うけど、僕を信じて、焦らずにその時を待っててね。」

「うん、私は、お父さんを誰よりも信じてるよ。」


 こうして、僕は涼音に記憶の約束をした。


 僕達は愛し合って眠りについた……。眠ったのは涼音だけね。

 僕はいつも通り、記憶の断片や他の人格達が現れるのを待っていた。





 頭の片隅にて。


 今日も刻美(きざみ)は記憶を相手に大忙しだった。

 ほんとにもう!どうなってるのよ!次から次と記憶がとっちらかっていくし……。

 鏡によってココに存在させられた時から、わたしにはノンビリできたことがない。

 遠くの方からは何か楽しそうな雰囲気を感じるけど、今のわたしはそれどころじゃない。

 いいなぁー、わたしもあっちの領域で楽しく過ごしたいなー。


 僕が刻美の活躍を知るのは、もう少し後のことだった。

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