五年生編

第254話 『鍵』

 それは名門ヴァルハラ学園から遠く離れた場所に位置する巨大な城ーー魔法城。

 先日イージスとダークが繰り広げた魔法城などとは比べ物にならないほどに巨大であり、宙に浮いている。

 その城の玉座に座る一人の男は、その前に膝をつける七名の魔法師の一人ーーエイリアン=ライターの発言に耳を傾けていた。


「ゼウシア様。いよいよイージスが『鍵』探しを本格的に開始するようですよ」


「そうか。もうじき会えるな。イージス」


 ゼウシアは電撃を纏う剣を手に取り、感慨に耽っていた。


「そうか。もうすぐ、もうすぐだな」


「既にイージスはアニーの『鍵』を開けています。そして今、『鍵』であるとある少女のもとへ向かっています」


「その少女とは?」


「秀才アマツカミ学会生徒、スフィア=ラピスラズリ」


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