第208話 スーザン討伐作戦
スーザンは真下にいるイージスたちを見た。
「殺してやる」
スーザンはまずサンダー目掛けて降下する。サンダーへスーザンは火炎を纏う鳥の足で攻撃を仕掛けるも、サンダーは電撃を纏う剣で弾いた。
意識がサンダーへ向いている隙に、ヴァーミリオンとイージスは剣を握ってスーザンの巨大な胴体へと斬りかかる。
「ただデカイだけなら」
「容易く斬り落とせる」
二人はスーザンへ剣を触れかけた瞬間、スーザンは羽を広げて周囲へ火炎の風を吹き荒らせる。二人は宙を舞い、スーザンから引き離された。
「さすがに手強いか。だけど転移なら、」
スーザンの真後ろへと転移したサクヤ、それを見きったかのようにスーザンの背中からは火炎の弾丸が放たれる。サクヤは瞬時に転移し、スーザンから離れた距離へ移動した。
スーザンの攻撃を受け続けるサンダー、だがその攻撃の重さに身体の至るところに苦痛を強いられていた。
そんなサンダーと入れ替わるように、アリシアはスーザンの足を剣で斬り飛ばそうと振るうーーだが硬い。
「ただのデカイだけの鳥だと思ったが、想像以上に体が硬いな」
「それも硬いだけでなく柔軟性もあり、その動きによって予想不可能な攻撃が何回も繰り出される。さらのあの大きさで素早い。これにはさすがに対応が難しい」
既にスーザンの攻撃を受けたからこそ、サンダーはスーザンの特徴を掴んでいた。
「なるほど。まあだが、何度も攻撃を受ければ分かってくるだろう。奴にも弱点の一つや二つあるはずだ。まあなかった場合、ごり押しで行くしかないがな」
「僕はまだ一応まだとっておきは残ってありますよ」
イージスは言った。
「そうだったな。アーサーであるお前だから使える技。私たちはこれからスーザンの動きを封じる。だからとどめは任せたぞ」
「了解です」
戦闘再会。
アリシアはスーザンへ斬りかかる。体のどこもかしこも頑丈で、ただの刃では通らない。
「斬り崩す」
サンダーは電撃を纏う剣でスーザンへ斬りかかる。
スーザンは火炎を纏う羽でサンダーを受け止める、サンダーの剣は受け止められる。
その瞬間に背後からヴァーミリオンは斬りかかる。そんなヴァーミリオンへスーザンは片足でヴァーミリオンへ攻撃を仕掛ける。
(避けられない……)
ヴァーミリオンは咄嗟に剣で受け止めるも、重い一撃に足で地面を削りながら下がっていく。
「サクヤ、頭上から狙いたい」
「了解。なら飛ばすよ」
サクヤはイージスへ手をかざす。するとイージスはサクヤの前から姿を消した。
その頃、スーザンの動きを封じるように、アリシア、サンダー、ヴァーミリオンの三名は剣を振るっていた。
「さあやってしまえ。イージス」
スーザンは気配を感じ、頭上へと視線を送る。
そこには、一人の少年が純白の光を纏う剣を振り上げて遥か上空から落下してきていた。
「終わりだ。スーザン。〈
剣は振り下ろされた。
その一撃はスーザンへと直撃し、周囲には激しい激風が吹き荒れる。周囲を砂ぼこりが覆い、イージスは転がりながら地へ降り立った。
すぐに視線を向けたのはスーザンがいる方向。
少しずつ砂ぼこりが飛散し、そこに広がる光景が露となる。
宙へ舞う一匹の鳥ーー朱雀。無傷、全くの無傷でそこに飛んでいた。
「そんな……あの一撃が……」
イージスは呆然とし、膝をついた。
アリシアたちも言葉を失い、スーザンを眺めた。
「何て頑丈さだよ……」
スーザンは足を振り上げながらイージスへ滑空する。
イージスは剣へ力を込めて握り直すも、振るう間を与えぬ速さで足を降り下ろす…………だが、イージスを守護するように巨大な一本の矢がスーザンの前へ飛んだ。
スーザンの足の一振りはその矢に弾かれ、スーザンは後退する。
「おいおい。私を置いて何楽しい戦いをしているんだ」
彼女は虹色の服に身を纏い、虹色の弓を構えてそこに現れた。彼女は笑みをこぼし、虹色の矢を弦に絡めてスーザンへ向ける。
そこに立っている彼女を見て、アリシアは言った。
「彼女は探していた最後の〈六芒星〉、アルカン=シエル。〈六芒星〉で条件次第ではアーラシュと同等の力を発揮するほどの逸材だ」
「私が来たからには安心しろ。戦いは終わりだ」
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