第129話 アニーVSインフェルノ
激しく繰り広げられた長きに渡る勝ち抜いたのは
グラン=シャリオ、アニー、サー=ヴァント、インフェルノ=ナイトメア
の四名であった。
激しい戦いが繰り広げられた十回戦、そしてこれから始まるは十一回戦。
最初に戦うのはこの二人、
『会場:市街地
アニーVSインフェルノ=ナイトメア』
煉瓦で造られた家屋が並ぶ屋根の上を、一人の女性は二本の剣を構えて歩いていた。周囲へと警戒を配りつつ、いつでも戦闘が出来るように備えていた。
そんな彼女を狙うように、家屋の三倍はある時計塔の中から一人の女性が矢を放とうとしていた。
「そこか」
時計塔から放たれた火炎の矢。それに一瞬で気づいた女性ーーインフェルノは剣で弾き、時計塔の中にいるであろうアニーへと一本の剣を投げた。
投げられた剣は時計塔に巨大な亀裂を入れた。時計塔の上部は瓦礫となって落下した。
「戻ってこい」
剣は時計塔の中から飛び出し、インフェルノの手元へと戻っていく。意外なことに、その剣の上にはアニーが乗っていた。インフェルノのすぐそばへと近づいたとともに、飛び上がって手をかざした。
「〈
アニーの手からは電撃が放たれた。それを横に回避したインフェルノは側面から剣を振るう。だが電撃の盾が剣を防いだ、とともに、インフェルノの体には電撃が流れ込む。
咄嗟に距離をとり、インフェルノは剣を構え直した。
(さすがに強いな……)
インフェルノは今初めて剣に火炎を纏わせた。アニーは少し警戒し、さらに距離をとった。
(剣術がメインか。相当な腕前だ。でなければここまで勝ち上がることもできないだろうな)
〈
光によって剣を創る魔法。
アニーは光の剣を握り、インフェルノの前で構えた。
激しく鳴り響く心臓の音に少しばかり驚きつつも、インフェルノの攻撃に細かく警戒していた。
「では行くぞ」
インフェルノは動いた。真っ先に狙った場所は、アニーの握る剣。
(真っ先に剣を……)
剣を吹き飛ばされたアニー、その無防備な一瞬を狙うように、インフェルノは剣を振り下ろした。だがアニーは突如として消えた。
地面に当たる剣は音を響かせ、インフェルノの背後からアニーが光の剣を握って斬りかかっていた。
「転移魔法!」
インフェルノはもう一方の剣でアニーの剣を受け止めるが、体勢が悪いせいか、アニーに押され気味だ。
速くこの状況を脱しなければ、その焦燥感に駆られてか、インフェルノは勝負に出た。
力を弱め、アニーは強く剣を振り下ろしていたせいか一気に地面へと滑った。剣で何とか受け身をとったが、背後からインフェルノは剣を振り下ろしていた。
「転移」
アニーは再度消えた。
次に現れた場所はインフェルノの背後。だがそれを読んでいたインフェルノは、そこに魔法での罠を仕掛けていた。
「爆炎に飲まれろ」
インフェルノの背後に転移した瞬間、アニーは爆炎に飲まれた。激しく吹き荒れる爆炎、それを回避することはできず、試合は終了した。
「私はここまでか」
アニーはさっと立ち上がり、インフェルノと握手を交わして会場を去った。
もっと強くならねば、そう心に決め、彼女は歩む
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