第121話 スカレアVSサナ
『会場:森林
スカレア=アズハVSサナ=フラッシュ』
「スカレア。またあなたと勝負することになるとは思っていなかったよ」
「それは私も同じさ。当然手は抜かないぞ」
森林の中を、サナは短剣を握りながら素早い身のこなしで駆け回っている。そんなサナの攻撃を弾きつつ、スカレアは刀を構えてサナと攻防を繰り広げていた。
(速い。いい加減サナの動きを止めないと。サナが使っているのは音の魔法か……。なら風で防げるか……)
スカレアは周囲に風を放った。その瞬間、サナは距離をとり後方へと下がった。
「やはりそう来たか。はぁぁああ」
スカレアは風を纏わせた刀でサナへと斬りかかる。サナは咄嗟に音での壁を生成し、スカレアの刀は鈍い音を立てて弾かれた。スカレアは体勢を後ろへと崩した。
(まずい……。このままではサナ攻撃をもろに受ける……)
風魔法を背後に放ち、再度サナへと刀を振るう。
だがしかし、音の壁は壊れない。スカレアは前傾姿勢へと戻るも、地面が隆起してスカレアの腹に直撃した。スカレアは受け身をとって後方にあった基の枝に足をつける。
(強い……。これがサナの力)
(スカレア。やはりお前は強いな。だが私も負けないぞ)
サナは両手を合わせた。すると次の瞬間、光が揺れ動いた。その揺れに酔い、スカレアは足を踏み外して地面に横たわった。
(このタイミングで……まさかのオリジナル魔法か……。しかも今の感覚のせいで……まともに立てない)
スカレアは落とした刀を拾おうとするも、いまいち平衡感覚がとれなくなっていた。
「〈
サナはスカレアの腹部へと殴りかかるようにして拳を振るい、光がスカレアを吹き飛ばした。スカレアは木にぶつかり、意識は朦朧としていた。
(負ける……。このままじゃ負ける)
「次で終わりだ。〈
光の線がスカレアの全身を焦がし、スカレアは身動きも取れず、意識を失った。その瞬間、勝敗は決した。
「ああ。私は負けた……」
スカレアは完治した肌を見るや、悔しそうに空を仰いだ。
「スカレア。いい勝負だったよ」
サナは横たわるスカレアへと手を差し伸べた。スカレアはその手を掴み、上半身を起こした。
「サナ。来年こそは倒すから……だからその時には強くなっていてくれよ。でなきゃ、私が手応えを感じれなくなるからな」
「ああ。期待しているよ。スカレア」
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