第119話 アニーVSララ
『会場:王宮内部
アニーVSララ=ラーラ』
「王宮内部での戦いか。水中戦なら負けることはないが、さすがにきついか」
ララは王宮内を走り回り、水場がないかを探していた。そんな中、アニーは風で自らの体を素早く動かしていた。そしてララを見つけるや、風の矢を放つ。
「危な!もう来てるのかよ」
「〈
光の玉がララを襲う。ララは背後に水の盾を形成し、何とか攻撃を防いだ。
「二年生の一学期で光魔法を使いこなすとは……やはり簡単にはいかないか」
再び光がララ目掛けて飛ぶ。再びララは水の盾を形成し、光は屈折して壁にぶつかった。
(光は水の中で屈折する。それに気づかない内に仕留めれば)
再度光の玉が飛び、水の盾を通って屈折した。次の瞬間、ララの腹部を光の玉が貫いた。
/まさか……屈折を利用した!?やるじゃないか。にしても計算が早い。それに最初から知っていなければこんなに早く光の玉を私に当てることはできない)
ララは腹を押さえつつ、光の玉の直撃によってできた壁の穴へ飛び込んだ。そこは厨房らしく、とても広い。銀色にテーブルの下に身を潜め、海福魔法で腹の傷を癒していた。
「〈
光の玉が銀色のテーブルや壁を反射し、ララのすぐ足元へと直撃した。
激しい煙が周囲を覆う中、再度光の玉が厨房内へ放たれた。
「やられっぱなしでいられるか」
ララは立ち上がって右腕を押さえつつ左腕を光が飛んでくる方向へとかざした。
「くらえ。〈
巨大な水の砲撃がララの手から放たれた。水は壁すらも破壊する勢いで放たれて、床一面に水が溢れ出す。ララの魔法により、一つ上の階にあったであろう浴場から水が溢れている。
水が溢れたことで周囲は蒸気で覆われている。
ララは水の盾を形成しつつ、周囲を注意深く見渡していた。
「凍てつけ」
背筋を震わすような謎の音とともに、ふくらはぎくらいまであった水は一瞬で氷へと変化した。それとともに、ララは身動きがとれない程に全身を凍らされた。
アニーはララの首に剣を突き立て、言った。
「私の勝ちだ」
ララは負けを認め、降参した。
アニーはララを凍らせていた氷を解かしていく。
「アニー。どうして私は負けたと思う?」
「頭の回転が遅いからではないですか?あと冷静さ。もし上の階から水が溢れていなければ私は氷であなたを凍らせることはなかった。それにもし水が漏れていたとしても、全身に火を纏わせるくらいはした方が良かったと思います」
「なるほど。私があの時もっと多くのことを考えられていたら、勝てていたか」
「まあ正直、上の階から水が溢れてこなかったら、長期戦になっていたと思いますし、先輩は十分強いですよ」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます