第111話 休憩時間

 白熱する魔法戦は既に四種目終えていた。

 一旦は生徒たちの休憩を一時間挟むこととなった。



『1位、名門ヴァルハラ学園

 2位、貴門ハーク学園

 3位、都立ホーヘン学園

 4位、秀才アマツカミ学会

 5位、優秀セントリー学園

 6位、閃光ライトニング学院

 7位、竜門テンペスト学校

 8位、平均シエラ学院

 9位、奇才キリン学園

 10位、愛嬌プリティー学院』



「やっヴァルハラ学園は強いなー。だって理事長があのノーレンス=アーノルドだからな」

「確かにね。しかも2位のハーク学園とは結構な差を広げて勝っているらしいよ」


 生徒たちはヴァルハラ学園の話で持ちきりだった。その中でも、愛嬌プリティー学院は半ば諦めムードであった。

 生徒の七割が女子を占めるという特殊な学院であり、ギャルや真面目っこなど、多くの者がいる。


「先生、もう帰りたいです」

「どうせ負けてるしね」

「でもクレープだけはうまいんだよ。もう屋台巡りだけしていたい」


 ギャルっぽい女子生徒三人組は、先生に向かってそう言った。

 その生徒の教師であるテキスト=アンサーは、眼鏡を上げて言った。


「まあこの戦いはあくまでも楽しむためのものです。わいわい騒ぐのは良いでしょう。ですが戦闘放棄はつまらない。ということで、もしあなたたちの誰かがどの種目でも良いので1位をとったのなら、今日は私の奢りで好きなだけ食べてください」


 その発言に、テキストのクラスの生徒は目をまん丸くして驚いていた。


「先生。後悔しないでくださいね」

「私は是非ともあなた方に頑張っていただきたい。メリー、リム、モア」


(あなたたちは才能の塊なのですから、敗けは許しませんよ)


 その頃、イージス、アニー、イスター、クイーンは四人でレストランで食事をしていた


「イージス。まだ一試合しか出てないでしょ」

「ああ。でもアニーはまだ一種目も出てないよな」

「うん。でもこれから連続で出るからね、まあ頑張りますよ」


 イージスは残り二種目。

 アニーは残り四種目。


「ねえねえイージスお兄ちゃん、あの戦いはとてもカッコ良かったよ」


 クイーンは立ち上がってイージスに言った。


「ありがとな。まあ戦いならば右腕に出る者はいないさ」


 そう言ってイージスは胸を張る。称えるようにしてクイーンとイスターは「おー」と言いながら拍手をした。


「あ!そういえば聞いた。猛獣ハンターの最後にね、ホーヘン学園からとんでもない魔法使いが現れたんだって」

「とんでもない!?」

「うん。なんか職業は魔法剣士らしいんだけど、周囲を火炎の渦に飲み込んで、それでモンスターは一瞬でやられてさ、しかも隻腕の巨人を一撃で倒したんだよ」

「「「えー!?」」」


 おどろきのあまり声もでない一堂。

 そこへ、アナウンスが鳴り響いた。


「既に一時間が経過したので、まずは一種目目を開催したいと思います。種目は魔法射撃戦でず。選手の皆さんは集まってください」


 アニーは準備体操をし始めていた。


「アニー。出るのか?」

「うん。勝ってくるよ」


 アニーは自信満々で会場へと足を運ぶ。

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