第91話 コンテスト

「金色魔法使い。お前はこれで終わりだ」


 パープルは手をスモッグの心臓へとかざした。


「さようなら。金色魔法使い」


 パープルは手を握ろうとした瞬間、パープルは謎の風に吹き飛ばされて壁に激突した。

 パープルは目を開け、風を吹かせた者の正体を見た。だがその者は人、いや、人なのか分からない謎の女性。


「サー。お前……その騎士は……」

「天使と呼んでくれないか。彼女は俺が召喚した最強の騎士だ。万能であり、何でもできる」

「まるでブレイドみたいだな」

「あーあ。天使よ。今すぐあの男を殺せ」


 天使は剣を抜くと、壁のへばりついているパープルへと剣を振るう。だがパープルは危機一髪で身を反らして剣を回避すると、高く飛び上がり天使の頭部へと蹴りをいれた。


「消えた!」


 天使は消え、パープルは蹴りで地面を粉砕した。

 周囲を見渡していると、背後から襲いかかってきた天使がパープルの背中へと剣を振るう。パープルはそれをもろにくらい、血反吐を吐いて吹き飛んだ。


「強い……」


 パープルは吹き飛んだライン上にいるサーへと拳を振るう。


「天使」


 パープルを一瞬にして斬り刻み、パープルは全身に傷を負って倒れた。

 あのパープル=スコーピオンですら、目の前の天使には手も足も出なかった。


「パープル。俺の勝ちだな」

「サー……。お前…………」

「お前とは二度と会えないだろうな。千年牢獄で、永遠に眠っているがいい。そして、さようならだな。パープル」


 そう言うと、サーは天使を連れて立ち去った。

 それと入れ違いに、魔法ギルドの勇者たちが現れた。


「パープル!?」

「こいつ、既に動けないようだぞ」



 原初魔法祭。

 その中で開かれている魔法コンテストの結果が発表されていた。


「イージス。いよいよだね」

「ああ。緊張するけど、もう結果は決まっているんだ。堂々と行くぜ」


 イージスは会場に立ち、参加した多くの魔法使いとともに並んでいた。


「今回の大会で優勝したのは、イージス=アーサーです」


 イージスは優勝した。

 賞金として、百万コロンがアーサーの実家へと送られた。


「イージス。やっぱお前は凄いな」

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