二年生編
第84話 神々
「なあゼウシア。とうとう
「ああ。案外早いものだな。とはいっても、まだ二年生。あいつはまだ俺のいる場所に立つ力は持っていないさ」
「いやー。でも既に例の力を有しているわけでしょ」
「ああ。だがまだまだだ。ここに来るには、もう少し強くなってもらわないとな」
ゼウシアは立ち上がると、黄金に輝く剣を持って、目前に広がっている景色を静観していた。そこから見えるは多くの者がや武器を持ち、こちらを一同に睨んでいる様であった。
何故睨んでいるのかは彼らとゼウシアにしか解らないが、敵意を持っていることはどこの誰が見ても分かるだろう。
「ゼウシア、もう行くのか」
「ああ。アポレオンの奴はしばらく眠っているようだし、今のうちに終わらせておこう」
そう言い、ゼウシアは一人、何万といる兵の前へと降り立った。既に周囲には武器を持った兵がいるが、ゼウシアが降りるとともに、その迫力に多くの兵が膝を震わして怯えている。
「せいぜい三万か。この程度なら十分もあれば十分だな」
「ゼウシア。手伝わなくて大丈夫か?」
「ティアマティア。お前はそこにいろ。巻き込んじゃうかもしれないからな」
ゼウシアの目は輝いていた。そして表情を笑みであった。
「なるほど。やっぱゼウシアは、戦っている時が一番楽しそうじゃん」
女性は高みの見物を決め込もうとその場にて座る。
「ゼウシア。あんたの本気、久しぶりに見させてもらうよ。いや、でもきっと、この数じゃあんたの本気は出せないだろうけどね」
万を越える兵たち。
彼らをはけて進む一人の兵は、槍を天へと掲げて宣言する。
「お前ら。今こそ我々の意地と本気を見せてやれ。今こそ力を思い知らせろ」
その兵は槍を構えてゼウシアへと駆ける。だがその前に既に、ゼウシアは剣を天へと振り上げていた。
「まさか……」
「終わりにしようか。この一撃で」
ゼウシアの剣には天から落ちる雷が注がれる。まるで避雷針のように剣には雷が降り注ぎ、それを見て兵は皆立ち止まる。
「〈
ゼウシアは剣を振り下ろす。それとともに、周囲へと放たれた全てを焼き焦がすまでの黄金の雷。それはやがては兵を全て飲み込み、その遥か先にそびえ立っていた巨大な城までもを跡形もなく消失させた。
「始まった。ゼウシア=アーサーの伝説が」
「我が剣は雷を操る。天の武器である」
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