第4話 再会
私はまたガラスの扉を開く
また来てくれたのね
ありがとう
嬉しいわ
元気だった?
ええ
私もなんとかやってるわ
どうしたの?
元気がなさそうね
そう
そんな事があったの
気にしないで
よくある事だもの
そんな事よりも
楽しいお話をしましょ
今日はね
公園にお散歩に行ったの
お陽様が暖かくて
ポカポカしていて
お花がたくさん咲いていて
子犬が嬉しそうに散歩してた
小鳥たちも鳴いていたわ
小川のせせらぎと
緑の葉のそよぐ音
お弁当を作って
ベンチで食べたわ
野良猫がすりすりして来たので
お裾分けをあげたの
あなたのお話もしてよ
そう
今日は大変だったのね
お疲れ様でした
いいのよ
私といる時くらいは
楽にしていて
あなたの好きなようにしてあげる
そうね
私の扉を開いて
見えるかしら?
私の心の奥深くが
どう?
きれい?
それとも
そうでもない?
どちらでもいいわ
だって
どっちもなんだもの
あなたのも見せて?
綺麗ね
輝いているわ
もちろん
そうでもないところもあるけれど
影があるからこそ
光は輝いて見えるの
当たり前でしょ?
みんなそうだから
でもね
あなたは特別よ
他の誰よりも
キラキラしているわ
そろそろ時間ね
また遊びに来てね
最後に一つだけ
お願いがあるの
もし今日これきりで
一生会えなくなったとしても
後悔なんかしないで
だって
私は透明なウェディングドレスを
身にまとったお人形
これはね
あなたが頭の中で作り出した
まぼろしなのよ
だからね
いつかきっと
本当に愛せる人を
見つけてちょうだい
私なら大丈夫だから
安心して
でもまたいつか
こうやって
会いに来てくれたら
嬉しいわ
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