第3話 イン&アウト
かちゃかちゃ
ぴっ
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それは現実と理想が交差する瞬間
大抵のヒトはチップに記憶させてるけど、
私は別
自分でタイプする瞬間が楽しいの
だって、そうじゃない?
それは自分にだけ与えられた特権だから
楽しみの時間
広がる空間
人は流れ
そしてたちどまる
出会う
別れる
そしてまた
出逢いと別れをくりかえす
私はあこがれる
純白のドレスを
みにまとったジューンブライドに
教会の鐘が鳴り
あなたと私はキスをする
みんなの祝福をあびて
ぽいっと後ろに
ブーケトスを投げるの
きっと受け取るのはあの娘だわ
お幸せになってね
私たちもそうなるから
そうして
私は夢からさめる
けだるい朝の月曜日
お仕事に行かなきゃ
ちょっとお化粧をして
パリっとしたスーツを着て
ねこに行って来ますのキスをする
にゃ〜ごとお返事がかえってくる
そして日常をくりかえす
決められたルーティーン
楽しげなハイティーン
にぎやかなパーティー
私は食べ物をはこび
空いた食器をかたづける
でもなんだか私も楽しいわ
誰かに喜んでもらう事が
私の幸せにもつながるから
そしてまた
ひとりぼっちの時間がやってくる
にゃご?
そうね
私にはこの娘がいるもの
孤独ではないわ
寂しくなんかもない
しあわせよ
ささやかだけどね
そしてまた
私はそっとガラスの扉をひらく
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そして今日もまた
いつものように
誰かが私を訪ねてやってくる
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