第2話 ゆめ

 きょうはね


 わたしのお誕生日の


 ゆめを見たわ


 お昼寝の時間


 あったかな空間


 おこないはたたえられ


 くすぶみは流される


 綺麗なところはほめられて


 悪いところも受け入れられる


 笑あうひとたち


 さげすむひとたち


 みんな、みんなが


 しあわせそうにしてた


 今日がわたしのお誕生日かですって?


 ちがう


 それは少しさき


 あとちょっとでくるわ


 でもそれはね


 どうでもいい事なの


 わたしがわたしとして


 この世の中に生を受けた


 それは間違いのない現実


 まぎれもない事実


 たった一つのたまごと


 何億を超える種が


 天文学的な確率を


 のりこえて結ばれた


 まさにこの世の奇跡よね


 でもね


 たいせつだと分かっていても


 いらないと感じた事もあったわ


 どうしてこんなに苦しんでまで


 続けなきゃいけないんだろう


 このいたみに


 ずっと耐え続けなきゃいけないの?


 そんなとき


 おおきな七色の虹が


 わたしの前に現れて


 わたしにこう言ったの


 忘れなさい


 辛かったことは


 思い出しなさい


 楽しかった時のことを


 そのままでいいの


 これからもずっとね


 それがあなたに与えられた


 この世でひとつの役わりなのだから


 そしてわたしは


 今を生きている


 そして


 今日もまた


 誰かが私をたずねてやって来る

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