第25話 帝国の主人!?
最初に、ダンジョン核の魔力をリコンストラクターで全て吸い取って
そして新たに、文芸部5人でダンジョン核を魔力で満たしていくと、登録されていた元の
文芸部員5人で
「お兄ちゃん達スゲェなぁ! オーガを上級魔法で倒した上に、ダンジョン核を一遍に魔力で満たしちまうなんて、あんたらは勇者パーティなんだな、キット!?」
「そうだなケイン、勇者たちのお陰で魔物湧きの心配はもう無くなったんだな……。お兄ちゃん達、ありがとうな」
と、帝国人達が驚きと感謝を述べていた。
『それでは、ダンジョン核をホストコンピューターの魔核の代わりにセットしに行きましょう』
「サッちゃん、ホストコンピューターは何処にあるの?」
『ヴァルハラ宮殿にあります、首都郊外の丘の上です。ダンジョン核を魔力で染めて新たな主が誕生したので、もう魔物は発生しませんし、歩いても一時間程で着きますが、軽巡洋艦CL5501で一気に飛んでいきましょう。一刻も早くシステムを再起動するのです』
「リョウカイ」
因みに、サリーナの声は帝国人達には聞こえていない。文芸部員の5人はサングラス、仮面、アイマスクがヘッドセットに成ってるのでサリーナの声が聞こえるのだ。
「ケインさん、俺達はヴァルハラ宮殿に行かなければなりません。ここからは別行動でいいですね?」
「あぁ、俺達の目的は達成できた。これからみんなをシェルターから出して、社会生活を復旧するんだ。お兄ちゃん達も良かったら、ここに住んでくれ」
「はい、……考えておきます」
『それでは、宝箱のアイテムを回収して、ここの屋上から軽巡洋艦で飛びましょう』
「オッケ~」
宝箱の中には、煌びやかな魔剣や魔道具が入っていた。
「これ、俺達が全部貰っても良いの?」
『ダンジョン核が生んだ副産物ですので、攻略した皆様に獲得する権利があります。さぁ、アイテムを回収してヴァルハラ宮殿へ向かいましょう』
「「「「「リョウカ~イ」」」」」
俺達は屋上に上り、軽巡洋艦を排出して乗り込んだ。
あとはサリーナが自動運転してくれる。
ヴァルハラ宮殿に到着して船を降りると、サリーナの言う通りに進んで行く。
ここもかなり破壊されていたが、魔物に遭遇する事は無かった。
邪魔な瓦礫を取り除きながら、最奥まで進んでホストコンピュータルームに入り、壊された魔核を取り外して代わりにダンジョン核を設置した。
ダンジョン核を設置すると部屋の機械に光が走り、自動修復プログラムが立ち上がる。
ヴゥウウウウウウウウウウンッ!
≪ROMの一部が欠損しています。修復するためには代替用のROMか、専用端末からのコピーが必要です≫
『サリーナのROMをコピーしましょう。ソウタさんお願いします』
「リョウカイ」
ソウタは軽巡洋艦とホストコンピュータをケーブルで繋いだ。大事なシステムコピー等は無線LANを使わないのだそうだ。
ヴゥウウウウウウウウウウンッ……ジッジッジッジッジッジィィイイイイイッ!
≪端末CL5501サリーナからROMのバックアップコピーを終了しました。5万年の活動実績があるAIサリーナを上位互換と認めて、ホストコンピュータAIと致します≫
『皆様、なんとサリーナが新たなホストコンピュータAIと成りました!』
「そうなんだ!良かったね、頑張ってね」
『サリーナの御主人様は皆様です。今後も宜しくお願い致します』
「「「「「はぁあ~い」」」」」
『最多で7人までホストコンピュータの主、即ち【皇帝ブレインズ】に成る事ができます。それほど帝国首都機能を維持する為の魔核は魔力が必要なのです。ただし電源施設が復旧すれば、通常エネルギーで稼働できる設備には魔力を使わなくなるので、かなり魔力を節約できるようになりますので、魔力の充填はそれほど必要ありません。魔導術式を発動する必要があるシステムだけに魔力を必要とするのです』
「「「「「ふ~ん」」」」」
『【皇帝ブレインズ】は怠惰で無能な皇帝でも政治が成り立つ為に選ばれる、実質上の帝国支配者なのです。
現在皇帝不在ですが、勿論皆様だけが新皇帝を選ぶ権利を持っています』
「「「「「へぇええ」」」」」
サリーナは最初に電源施設を修復して起動する。そしてそのエネルギーを使い、首都機能、防衛機能、治安維持機能、生産機能の修復を開始した。約1週間で全てのシステムを回復できるそうだ。
破壊された施設や住宅の修理はその後になるそうだ。
電源施設は自然エネルギー、イオン、素粒子で発電しているので、化石燃料等を採掘し輸送する必要は無いと言う。
俺達は修理に手を貸す必要が全く無いらしいので、取り敢えず首都に戻る事にした。
宮殿のトラックに魔力を注いで乗り込んで、丘を下って首都に向かう。
首都では帝国人達の生き残りが外に出て、社会活動を営み始めていた。
修理されたロボットやアンドロイドが、人々と一緒に修復作業を始めている。トラックも動いていた。
「もう修理されたロボットやトラックが動いてるんだね」
「うん、早いね」
『エネルギー切れだけの機械は、充填されればスグに動けます。自動修復はそれらから連鎖して、次々に加速していくのです』
復旧作業をしていたケインが、俺達に気付いて近づいてきた。
「アンドロイド達が動いてるって事は、お兄ちゃん達が帝国の新しい主人に成ったんだな?」
「はい、ケインさん」
「おい」
そこにいた全ての帝国人達が、ケインに促されて跪いた。
「私達は再び元の生活を取り戻せると思っておりませんでした、どうもありがとうございます。皆様を帝国政府閣僚として認めます。我々は、皆さまに対して帝国民としての義務を果たします」
「は、はい。宜しくお願い致します」
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