第6話 5万年後アンドロメダに到着

「ねぇ、サッちゃん。また新しいスキルに挑戦しようかな?」


『もう学べる事は残っていません。ソウタさんは、アンドロメダ銀河帝国のホストコンピューターが記録していた全ての技術を100パーセント習得しました。全ステータスも全スキルも、コンピューターで確認できる範囲ではカンストしています』



「えぇ、それじゃあこれから、何をして過ごせばいいの?」


『もうすぐ目的地に到着致します。冷凍睡眠を終了しますので、リハビリを兼ねて運動やゲームでもしていて下さいませ』



「あ、もう5万年経ったんだね?」


『はいそうです。

 これより冷凍睡眠を終了いたします』






 タラリラリラリン♪ タラリラリラリン♪ ……♪ ……♪


 軽巡洋艦CL5501の中に、穏やかなクラシック音楽が流れ始める。



 プッシュウウウウウッ!


 冷凍睡眠カプセルが開き、ソウタ達がゆっくりと目を覚ました。



『リハビリプログラムを開始いたします。皆様におかれましては、そのまま動かずにいて下さいませ』


 グィイイイイイインッ、グィイイイイイインッ……、


 カプセルのシートにマッサージ機能が組み込まれていて、最初は弱く動き出して徐々に強くなっていき、段々と体がほぐされていく。



 ソウタはモゾモゾと体を動かそうとした。


『5万年間眠っていた体を覚醒させています。しばらく動かずに我慢していてください』


 徐々に体が動かせるように成り、脳も活性化してくると、ソウタは妙な違和感を感じた。


 あれ? つい最近UFOに乗り込んだばかりな気がするんだが……。



「ねぇ、サッちゃん。仮想現実空間で色々と出来るって聞いてたけど、何も覚えてない気がするよ?」


『はい、その通りです。

 冷凍睡眠で体も脳も加齢しない様に眠っていたので、睡眠学習中の事を覚えていないのです。

 ですが、脳や体にはしっかりと刻み込まれていますので、必要な場面に応じて技能が覚醒するでしょう』



「今、思い出せなくても必要になった時に思い出すから、無駄には成ってないって事だね?」


『はい、その通りです。

 皆さんは乳幼児の時の記憶をあまり覚えてないと思いますが。

 母国語を喋り、親兄弟を知り、食事や排泄等の生活習慣を覚えています。

 冷凍睡眠中の学習内容も、そのように自然と必要な場面で活用されるでしょう』



「ふ~ん。因みに今の自分のステータスって、どの位なんだろうか?」


『分かりました。皆さんの今のステータスを、地球のゲームの様に可視化してお見せましましょう』



 シュィイイイイインッ!


 文芸部員5人のそれぞれの目の前に、透明なウィンドウが表示された。



[ステータス]


名前 ソウタ

種族 人族

職業 高校生

年齢 16歳

状態 普通


レベル999

HP9999/9999

MP9999/9999

STR 999

DEX 999

INT 999

VIT 999

AGI 999

LUC 999


光属性魔法 Lv Ⅹ

闇属性魔法 Lv Ⅹ

火属性魔法 Lv Ⅹ

水属性魔法 Lv Ⅹ

風属性魔法 Lv Ⅹ

土属性魔法 Lv Ⅹ

生活魔法  Lv Ⅹ



『全てを表示すると、あまりにも多くて混乱するので、シンプルに表示致しました』


「はぁ、そうなんだ。

 質問なんだけど……。この数値って、どの程度のものなのかなぁ。良さげなのは分かるけど、比較対象出来るものが無いから、もうちょっと具体的に説明して欲しいなぁ?」


『はい、分かりました。

 ウプシロン帝国人族の、通常限界ステータスを表示致します』



 シュィイイイイインッ!



[通常限界ステータス]


名前 ---

種族 人族

職業 ---

年齢 --歳

状態 普通


レベル99

HP999/999

MP999/999

STR 99

DEX 99

INT 99

VIT 99

AGI 99

LUC 99


光属性魔法 Lv Ⅴ

闇属性魔法 Lv Ⅴ

火属性魔法 Lv Ⅴ

水属性魔法 Lv Ⅴ

風属性魔法 Lv Ⅴ

土属性魔法 Lv Ⅴ

生活魔法  Lv Ⅴ



「はぁ、一桁違うみたいだけど……。

 魔法に関しては、Ⅴが5で、Ⅹが10って事だよね?」


『はい、その通りです。

 5万年という長時間で睡眠学習をした者は、今迄に一人もいませんでした。

 そんな事をすれば、現実の社会で家族も友人も知り合いも居なくなってしまい、国も社会体制も変わってしまうかもしれません。

 タイムリープもタイムパラドックスを起こす危険性のある問題の多い技術なので、犠牲に成る覚悟が出来た者が、国家の最高機関の承諾を得て初めて使用できるのです。

 今回は緊急事態なので、冷凍睡眠もタイムリープも使用しましたが、帝国の歴史の中でも睡眠学習をした最高記録は5年程度なのです』



「使用しましたが。って、タイムリープも完了しているの?」


『はい、そうです。

 皆さんが起きる直前に終了いたしました』



「はぁ、そうなんだ。って事は、今はもう、俺達は別の平行世界に居るんだね?」


『はい、そうです。

 ですが、皆さんがそれを実感する事は出来ない筈です。

 そして今現在、ここでは世界崩壊が起きていません。

 もしかすると本棚の一部では、世界が消えているかもしれませんが、少なくともここでは大丈夫だったようです』


「はは、それは良かったね……」



『それでは、約48間後にアンドロメダ銀河帝国首都星エリューズに到着しますので、リハビリをしながらごゆっくりと、お寛ぎ下さいませ』

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