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 丘を駆けて下っていく、彼女の後ろ姿。


 風のような、速さ。


 追うことも、声をかけることも。


 できなかった。


 彼女。


 右側に草がついていたのは、右に転ぶから、だったのだろうか。


 義手で身体のバランスがうまくとれなくて、転んで。


 それでも、毎日ここへ来て。風邪を引いても。それでも。


 無視されても、ずっと。


 僕のとなりに。


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