05.
それからも、彼女は、丘の上に来るようになった。
いつも、向かって顔と身体の左半分に、草がついていた。隣に座るから、彼女の右側。草が付いているほう。
「あ、まだ草ついてる」
彼女が、身体と顔についた草をとる。
「へへ。いつもよごれちゃって」
無視して、景色だけを眺める。
「きれい。海岸も、草原も。空も」
今日は、晴れていた。
「わたしも、いつも、ここにいられたらいいのに」
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