04.

「いつも、ここにいるんですか?」


「そのノートブック。なにか、描いてるんですか?」


「いい景色ですね?」


 彼女の言葉を無視して、景色だけを眺める。


「わたしのこと。覚えてませんか?」


 彼女のほうを見る。右半分。草がまだ付いている。


 初対面だと思う。記憶にない。

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