第11話 夜のかくれんぼ
すみません、第5話が消えていますね。ミステリー♪
下書きになって内容も白紙になってました。(幽体離脱しちゃった?)
さて、気を取り直して、本日は人から聞いた話です。
登場人物の人はAとします。今から20年ちょっと前の話です。
Aが小学生の夏休みに、中国地方のとある自然公園?のようなところで、親族で宿泊をしたそうです。
昼間は、様々な人が訪れ、ハーブで石鹸を作るとか、ソーセージやピザを自分で作って焼いて食べるとか、そういったワークショップが開催されていたり、アスレチックを楽しんだりするそうです。
そして、その中に、その自然公園のテーマ?にピッタリの、なかなかおしゃれな宿泊施設があり、閉園後、貸切のようにして一晩過ごせるそうなのです。
その宿泊可能人数はさほど多くなく、一晩だけとはいえ、その施設はまるでA一家の貸切状態で、子供も大人も大はしゃぎだったと言います。
時は夏で、日が暮れるのも遅く、夕食後も薄闇の中で足を水につけたり、そのまま裸足で走り回ったり、お父さんたちも、ギターを弾いて大声で歌ったり、それは楽しく時間を過ごしていたそうです。
結構夜遅くまで騒いで、小学生のAたちですら、床に付いたのは、もう10時を過ぎていたと言いますから、大人たちが寝たのは、日付けが変わる頃だったのではないでしょうか。
翌朝、お母さんが
「お義兄さんか従兄弟さんのとこ、あれから子供達と外で遊んでたけど、大丈夫かしら」
ちょっと不満そうに言ったそうです。
「ああ、うちのコテージの側で、話をしていて、ちょっと煩かったよな」
お父さんも夢心地の中、すぐ側で話し声が聞こえたと頷きました。
朝食を食べるために合流すると、お父さんがみんなに聞いたそうです。
「昨日、あの後、どないしてたん」
すると、皆、疲れていたから、すぐ寝たと返ってきました。
「いや、俺んとこのコテージの側で、話してたやん」
お父さんがそう言うと、従兄弟にあたるおじさんが、不思議そうな顔をしました。
「いや、それ、お前んとこやなかったんか。鬼ごっこして遊んどるって、嫁というててん」
その上、お兄さんのおじさんとその奥さんのおばさんが顔を見合わせて
「私ら、寝る前に二人で星を見に、少しだけ、外へ出ててんけど、コテージに入る寸前に、あんたんとこから人が出て行くのを見た」
もう夜も更け、辺りは静かだったので、声をかけず軽く手をあげて、そのまま家の中に入ったそうです。
「お前も軽く手をあげたやないか。その後、子供と少し遊んでたんやと思うてた」
「え、そんなん知らんわ」
すると、そのお兄さんの長男である、中学生の従兄弟が、
「別の家族がおるんやないの。オレら、昨日閉園してから、女の子を見たよ、な?」
「うん、いはった」
「なんか、黒っぽい服の子やったよ」
子供達は、頷きます。
そこには、もう一回り大きなコテージがあったそうですので、他の団体がいてもおかしくはありません。
もしかしたら、その団体のうちの一人が、コテージを間違えるかして、それが出てくるように見えたのかもしれないということになりました。
しかし帰りがけ、管理人に聞くと、その日はやはりAたちの貸切状態だったそうです。
「きっと不法侵入や」
「いや、コテージまで入ろうとするとか、厚かましい」
お父さんたちは、言いあったそうです。
しかし、Aは実は夜半、トイレに行った時に、その騒ぐ声を割とはっきり聞き取れていたそうです。
「何処だ」「お願い、返事して」
鬼気迫る声で、そう言っていたそうです。
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