第8話 さようなら
その友人は早くに結婚して、構えた新居が、当時、私の住んでいた所の近くでした。
有り難いことに、わたしは奥様と気が合い、彼らの子供が二人になり、引っ越すまで、旦那である友人抜きで、よく遊んでもらいました。
しばらくして、彼が病気になったと連絡をもらいました。
友人は、奥様ともども力を合わせて、闘病生活を送っていましたが、残念ながら、還らぬ人になりました。
そんなある日、私は明け方に名前を呼ばれました。
そこには、亡くなった友人が、ニコニコ笑いながら、立っていました。
「俺、もう、行かなあかんねん。
ほんま、ようしてもろうて、ありがとな。
これからも、あいつと仲ようしてや」
私は、それが覚めかけの夢だと分かっていましたが、なんとか夢から覚めまいと、必死で友人の名前を呼びました。
その日は、彼の49日でした。
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