其れは何処かで見た事の在る、



守らなければと思った。強く思った。


か弱い、か弱い、俺だけの暖かな夢を。



眠るのは怖かった。

次の日へと進むのが怖かった。


気付かれるのが怖かった。




赤らんだ空が綺麗だった。



隣で微笑むその姿と、よく似ていた。


この色の中なら、きっと怖くない。




そう思った。



甘い、赤い、夢の欠片を、きっと来世に覚えていられるように。


あの場所へ。




例え、その赤が俺を忘れても。



どこかでまたあえるように。





本当はね。


抱き締めたかったんだ。



鈍色の道標から手を離して。



貴女に出逢えてよかった。




そう、伝えたかった。



この手で、抱き締めたかった。





愛してる。



世界が終わっても。







またね。



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