白
部屋の片隅に、薄ら色が乗る。
泡沫の記憶。
弟は非力で、とにかく白かった。私はそんな弟が心配で、弟を守らなきゃいけないと、そう思ってた。
弟は私を鬱陶しがった。それでいいと思った。私が過剰に心配することで、あいつがちゃんと自衛出来るようになるなら。
あいつは生意気で隙を見ては煽ってきたけど、なんだかんだと仲は良かった。あいつは優しい奴で、ただ少し分かりにくいだけで。何より弱い奴で。
あいつは、
あいつは
色が消えた。
白い部屋。
白い、それだけの部屋。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます