第8話 あなたに選択権はないんですよ

 恐る恐る後ろを振り返ってみると、その声の主はほのかであった。

 なぜほのかが?


 そう言えば二人は仲良いとか言ってたっけ。ほのかとは明日会うという話だったな。

 しかし、明日だよな。まだ明日にはなってないぞ。と思い後ろにかかっている時計を振り返ってみると。


「ほのか、約束したのは明日だよな?」

「時計を見てください。」


 冷たい声でほのかが言う。


 0時2分。

 日をまたいでしまっているじゃん!

 ほのかは先ほどと同じ口調のまま、切り出した。


「おにいさんはハニートラップ引っかかりましたよね。」


 そうです、その通りです。ハニートラップの望むがままに。


「わたしたち、ハニートラップの仕事をしてるんですよね。」

「それはちひろから聞いてる。それでお願いっていうのは?」

「そこまで聞いてるのなら少し話す手間が省けますね。おにいさんこっちで働いてくれませんか。」

 

 それは困る!


「でも、俺働いているんだ。今の会社を辞めるわけには」

「おにいさんのセクハラ全部こっちにデータとして撮ってあるんですよね。」

「え。」

「私がこの写真をおにいさんの会社に送ることも出来るんですよね。この写真を送ってしまったらどうなるでしょうか。」

「やめろ!取引をしようじゃないか。」

「おにいさんに取引材料なんてあるんですか。」


 なかった。


「でも、会社のメールなんて…さすがに知らないだろ」

「そ~れが知ってるんですよねぇ。」


 ちひろが割り込んできた。


「おにいさんと歩いているときにケータイをお借りして見ました♡」


 こいつ。


「おにいさんの手の動きでパスワードは分かったので。」


 わかった。終わりなのだな。

 俺の平穏な会社生活はここで終わることとなる。

 俺がした行為がばれたら、もう今の会社で働き続けていくことは難しいだろう。。

 それなら、二人の方で働くのも悪くないか。  


「降参だ。わかった、そっちで働くよ。ところでそっちの会社ってのはどんなところなんだ?」

「理解していただけたようですね。では説明しますね。」


    ◇◇◇


 ここの少女たちが働く仕事は表向きはメンタルケア。心の病気の治療、カウンセリングやサポートを行っている。

 国からも認められている社会的信頼も高い会社である。

 事実、いくつもの表彰を受けており、実績もある会社だ。

 しかし、それはあくまで表向きの姿。

 この情報化社会のなかで国家間においでも情報を制する者が世界を制す。

 その一環として日本においても立ち上げられた。


   ◇◇◇


 怖くなってきた。俺はなんてところに足を踏み入れてしまったのか。

 逃げたい、今すぐにでも逃げたい。


「絶対に逃がしませんから。」


 ほのかがドスの効いた声で言った。

 助けてくれ!


 ものすごい雰囲気になっていたところで。


「でも、私たちはそんなに大きな仕事なんてしてないんですよ~。まだまだ見習いなのです♡」


 ちひろちゃん神!ありがとう!


「助かったよちひろちゃん~。あのお姉ちゃん怖いんだよ~!」


と、俺はほのかの方を指さしてみる。


「誰が怖いですって!」


 ほのかが怒る。


「私は甘えん坊な性格なんで、この話し方のほうが本来の私です♡ほのかと違って猫かぶってないので♡」

「私が怖い性格とでも言いたげね。」

「言いたげじゃなくその通りだろ。」


 俺は思ったことを素直に口に出す。


 ところで。

 すごい事実に気が付いてしまった俺。


「なあ俺たちいつまで全裸でいるんだ?」


 顔が赤くなるほのか。

 なぜか笑顔のちひろ。


 ふーん。ほのかは裸の耐性ないのか。

 だったら。


「ほのかー、おっぱい揉んでいいか?」


 ほのかの返事を待つこともせず、揉みしだく。

 ほのかの生おっぱいを触るのは初!下から持ち上げるとズシリと重量を感じる。

 この重さが大きさをものがたっている。

 やったぜおっぱいおっぱいサイコー!


「ちょっといつまで揉んでんのよ!このばかー!」

「少しくらいいいだろ!」


 そんな俺たちを見ながら、ちひろは


「仲良いですね~」


と、楽しそうに笑っていた。

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