第6話 煩悩主義
ハニートラップねぇ。
聞いたことはあるが、俺とは無縁なものだと思っていた。
ハニートラップってのは政治家とか金持ちのところにあらわれるもの――――――――――それが俺の認識だった。
だから、この少女がその言葉を発したとき俺は何を言っているのか理解ができなかった。
「ハニートラップの意味は知ってるけど、それと俺がどう関係してるんだ?」
俺は彼女に尋ねる。
ちひろは「察しが悪いなあ」って表情を俺に向かってした後で
「おにいさんで練習させてもらったんですよ」
と言った。
「俺で練習??」
「はい、練習ですよっ♡おにいさんはちょろかったです♡」
「そ、そんなわけないだろ!!どこがちょろいっていうんだ!」
「すべてですよ♡」
確かに。
ちひろの言うとおりである。
「詳しい話は、ほのかからも言われていると思うんですけど明日しましょうね。」
「詳しい話?さっきので終わりじゃないのか」
「そうです。」
「もったいぶらずに話せよー」
「ダメなものはだめなんですよぉ。」
ちひろはそう言った後、俺を振り返り、
「もう夜遅くなっちゃいましたね。私の家に泊まっていきませんか、おにいさん♡」
!!
誘惑してきやがったこやつ…!
俺は行きたい気持ちはやまやまだったが、ギリギリのところで理性が働きこう言う。
「しかし、親御さんからしたら見知らぬ男をいきなり家に上げるわけにはいかないだろう」
「問題ないですよ♡私一人暮らししているので♡」
よし行こう。
俺が強引に誘っているわけでなく、向こうが誘ってきているのだ。
社会的にも問題がない。
「行くか」
こう答えた。
「おにいさん、ま~た誘惑に引っかかってるぅ♡でもそんなおにいさんも嫌いじゃないです♡さあわたしの家に行きましょっか♡」
そう言うと改札へ行くため、階段を上り始めた。
階段を上るたび、ちひろの大きなお尻がゆらゆら揺れている。
絶景だ。
そのおしりをもう一度触ってみたいという欲望がむくむくと湧き上がる。
ダメだダメだ。
普通の女性でもサイズ以上に迫力を感じるのに、もともと大きいちひろだと迫力が桁違いだ。
そんなことを思いながら、階段を上り終わるまで眺めていた。
バレてないと思っていたのだが。
「おにいさんちょっとお尻見すぎですよぉ。気づいてないとでも思ってたんですかぁ♡」
気づいてたのか!!!
後ろを一回も振り返らなかったから気づいてないと思っていたのに!
まずい。
焦りの表情を浮かべる俺。
そんな俺にちひろは、
「かわいいなあ♡見たかったらそう言ってくれたらよかったのにぃ」
「言ったら見せてくれるのか!?」
俺はそう言って、彼女のスカートに手を伸ばすと。
彼女は俺の手をパンっと払った。
なんで!
触らせてくれる流れだったじゃん!
「私の家までは我慢ですよっ♡おにいさん♡」
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