第6話

リョウが予約した店に、まずハナが到着した。

「あいつにもちゃんと伝えておいたけど、やっぱ遅いな」

「まあ、そういう人って聞いてたからね」

集合時間から三十分経ち、ようやくリョウがタクに電話する。

しかし、何度電話しても出ないのだ。

「あいつ既読もしない。もう飲もうか?」

「だね、先飲んでても怒るような人じゃなさそうだよね?」

「そういうことは絶対気にしない人だから大丈夫」

その後一時間、二時間と経つが、未だにタクと連絡がつかない。

「ハナ、今日はあいつ来ないな。多分寝てるよ」

「だよね」

「でもあいつにしては楽しみにしてたから、次また会えばいいよ」

「え、ありがとう」

「そうだ、次回は前日に俺の家に泊めればいいんだ。そうすれば叩き起こせるね」

ハナは若干落ち込んでいたが、笑っているリョウに元気づけられた。

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