第5話
「ねえハナ、友達からならどう?」
「タク君?もう毎回その話じゃん」
「少なくとも気は合うって」
ここまでハナが引き下がるのは、恋愛を恐れているからである。
「リョウ、私ね、生まれて一回も付き合ったことがないの。紹介してもらったとして、タク君が可哀想だよ」
「おっ、じゃあ恋愛未経験同士だな」
「…そうなの?」
「そこを気にしてたなら、心配ないよ」
「そっか、じゃあ一回飲むくらいならいいよ」
「よし、もう三人で飲むことになってるからね」
「えっ」
驚くハナを差し置いて、日時や場所の話を始めた。
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