第2話
リョウはハナと話してから、恋のキューピッドになってやろうと意気込んでいる。
後日、早速タクにその話を持ちかけた。
「そうだタク、お前に合いそうなハナって女の子がいるんだよ」
「いいよ、そういうのは」
「そう言うと思ったよ。だけどね、その子の好みがお前にぴったりなんだよね」
「そう、でもいいよ。僕付き合ったことないから、そういうのよく分からないし」
タクは身体と心の性別が一致しておらず、身体は女だが、男として生活しているのだ。
また、どの性にも恋愛的な好意を持てずにいる。
「お前は仲良くなっちゃえば面白いのにな。なんで初対面の人に無愛想なの?」
「それは…、愛想良くする必要性を感じないからかな」
「へえ、多分その子にとっては満点の回答だな」
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