普通科第一小隊

宿屋での一件もようやくお許しをもらい、今は今後の予定について話し合っていた。とりあえずの目的であったダンバに着いたため次は遂に異世界自衛隊を組織することを始めようと考えていた。


そのために必要なのは、拠点であると考える。


そのためにリリアに意見を聞くことにした。




「この辺で拠点を持ちたいと思うんだが、どうしたらいいと思う?」




「そうですね。家を持つのが安全性は持てると思いますが」




確かに俺たちだけならそれがいいだろうが、俺が欲しいのはかなりの人が入る場所なんだ。




「えーと、人数がたくさん増えるとしたら?ほら美由のスキル、ホムンクルスだろ?」




リリアは少し考える素振りを見せ、回答する。




「それなら盗賊の拠点などいいかもしれません。盗賊は大抵、洞窟や森の中、使われなくなった古城などを拠点にしていることが多いので、盗賊を討伐すれば、そういった拠点を確保することが可能だと思います。」




「なるほど盗賊か」




それは人殺しをしろと言う事か。でも俺は冷徹になると決めたんだ。


これくらい出来なくちゃいけない、それとこれは部隊を作るいい機会だな。




「はい。しかし冒険者として討伐するならC級でないと討伐クエストを受けれませんので、まずはそこまで上げなければなりません」




それを聞いて、俺たちは冒険者ランクを上げるべく、クエストを受けに冒険者ギルドに来ていた。




すでに日は高くなっており、冒険者たちは働きに出ているため、ギルドはすいている。




ガラガラの受付に向かった。


そこには昨日の受付嬢のお姉さんが暇そうに座っている。


俺の接近に気づいた彼女は流石にきちんと座る。




「いらっしゃい。」




「おはようございます。クエスト受けたいんですけど、何かありますか?」




彼女はそれを聞いて、書類をごそごそとあさる。




「D級ならこれなんてどうかしら?」




そう言って一枚の紙を出した。




紙にはレッドカウの討伐10体と書かれていた。




「レッドカウですか?」




「そうよ。平原にいるレッドカウを討伐して来るのがクエスト内容ね。死体の方は売ってもいいし、自分たちで食べるのもありね。」




彼女はそう教えてくれた。




レッドカウはD級でまんま赤い牛なんだそう。群れで平原に生息していて、攻撃手段が突っ込むしか無いから、きちんと見て避ければ簡単に倒せる魔物らしい。




「C級に上がるとしたら後どのくらいクエスト受ければいいですかね?」




盗賊討伐を受けれるC級までの道のりを尋ねる。


早いところ拠点を確保して、自衛隊を組織したい。




「そうね。このクラスなら30回ほどかしら」




「結構掛かるんですね」




「そうね。でもたまにB級やらA級なんかを倒しちゃうと功績でランクが上がったりするわね。……あっ、だからって無理に狙っちゃだめよ? 地道が一番なんだから」




お姉さんは少し慌てて補足説明してくる。


俺たちが死んだら目覚めが悪いだろうからな。


けどそれはいい案かもしれない。


魔物に対してどこまで通用するのかはもっと実験が必要だから試してみてもいいかもしれない。




「わかってますよ。行ってきますね」




俺はそう言い、ギルドを出ながら、何を狙うか考えていた。




ダンバの街を出た俺たちは近くの草原に来ている。


幸いにも周りに人がいないため、遠慮なく銃を取り出す。




二人と共にパジェロで近づき、レッドカウに銃弾の雨を降り注いだ。




そのおかげで10体はあっという間に倒し終える。




「討伐部位ってどこだっけ?」 




俺はリリアに尋ねる。




「右ツノです」




確認がとれ、右ツノを切り落としていく。


二人も手伝ってくれてすぐに終わった。


その後アイテムボックスがわりの3トン半を取り出してレッドカウを入れていく。レッドカウは重過ぎて3人でも入らなかったため、フォークリフトを使って乗せることにした。




フォークリフトは俺しか動かせなかったので、少し時間が掛かったが、乗せることができた。後は3トン半をしまって完了だ。




それから俺は次の獲物を探すべく、リリアに意見を求めた。




「リリアこの辺で強い奴いるか?」




「強い魔物でしょうか?まさか討伐なされるので?」




少し心配そうに言ってくる。




「そのつもり、少し実験したいことがあってね」




俺はそういうと美由の方を向く。




「美由、やっとだけど自衛隊の先遣隊を作ろうと思うんだ。今回作るのは普通科の小隊にしようと思ってる」




普通科は陸上自衛隊の根幹であり、普通科だけでも一応戦闘が出来る様に構成されているため、作成するなら最初は普通科だろう。




「これからいう人をホムンクルスで出して欲しい。」




俺は美由に内容を伝える。普通科小隊の小隊長2尉と副隊長の3尉、それから陸曹達を伝えた。




彼女は知識とした本が頭にあってそっから選ぶようにホムンクルスを選択するそうだ。




「わかりました。では召喚してみますね」




そういうと、その場に強い光が現れそこには16人のホムンクルスが現れた。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る