普通科第二小隊

はじめてのホムンクルスが姿を現した訳だが、どういう訳か全て少女の姿をしていた。


しかも全員裸である。


素晴らしい光景に俺は少し見とれていた。




「み、見たらダメです!」




俺は美由に目を塞がれて前が見えない状態になった。




残念ながらそのおかげでボーナスタイムは終了である。


俺の感想は、ホムンクルスも一人一人違うのだな。と二つの山を見て思ったのである。


もちろん顔も違ったぞ。




俺は目を塞がれたままだが戦闘服を取り出した。




流石に下着などは無いのでノーパンで我慢してもらうしか無い。




着替え終わった彼女達は一端のワック自衛官に見える。




まぁ知識的に言えば俺よりも上なんだろうな。なんて言ったってあっちは陸尉と陸曹達だからな。




俺は……士長、ぴえん。




俺は気持ちを切り替えて彼女達を見る。




彼女達はきれいに列を作り、2列横隊で並んでいる。




おそらく列外にいる少女が2尉と言うことで良いのだろう。




「君たちにやってもらいたいことがある。強めの魔物の討伐、それを一緒にしてもらう」




「わかりました。と橘2尉は肯定します」




橘のスキルで出来たホムンクルだから橘と言っているのだろうか?


まぁいいけど、癖のある喋り方だな。




まさかとは思うけど他もこんな感じなんだろうか?




俺は自衛隊から武器庫自体を取り出す。




「必要な装備はここから取り出せ。足りないものは言ってこい。では準備に取り掛かれ」




俺は武器庫を指差し、指示を出す。


武器庫の中には、89式はもちろん、MINI Mitrailleuse、通称ミニミや84mm無反動砲などが収容されている。




それらを彼女達には与えることにした。




指示を出した後、美由がこちらに歩いてくる。




「それでどんな魔物を倒すつもりなんですか?」




「…………あ」




全く持って考えてませんでした。ここはしょうがないから助けてリリアもーん。




「リリアこの辺にいい感じに強い魔物は生息してる?」




「……この辺りでしたら、少し歩いた森に、グリーンドラゴンと言うドラゴン種では最弱のB級ドラゴンが生息していると聞いています」




彼女は呆れた目でこちらを見ながら、そう回答してくれた。




流石はメイドさん、俺が知りたいことなんでも知ってるぜ。




いや、でもね? その目はやめてください。




俺はリリアの目線に耐えながら、自分自身も準備をする。


と言っても今回は俺は戦わず近くで見るだけだ。


ホムンクルの小隊がどこまで戦えるか知る必要があるからな。


とはいえ、ホムンクルと言えとみすみす死なせるつもりは無い。


やばくなったら手伝うつもりだ。




「朝霧総司令官、準備が整いました。」




んんん?総司令官? 俺いつのまにそんな役職になったんだ? と言うか自衛隊そんな役職は無いと思うのだけど?




「おぉ、お疲れ。足りないものはなかったか? と言っても相手のことを言っていなかったな」




一息置いて喋る。




「目標はグリーンドラゴン。最弱のドラゴンだ。空を飛ぶことが出来ない地龍ではあるが、ドラゴンなのには変わりなく、その皮膚は装甲並みかも知れん。生物であるため目は弱点になりうるだろう。」




「質問よろしいでしょうか」




「いいぞ」




「総司令官と副総司令官の護衛は付かなくてよろしいのでしょうか?」




確かに心配どころなのだろうか。特に呼び主である美由は心配だろう。


ていうか副総司令官って美由のことか?


呼び主が下なのはどういうことなのだろうか。




「今回については問題ない。君たちも死なないことを意識して戦ってくれ。もし、危険だと感じたら橘2尉が指揮を取って即時撤退を命令すること」




「わかりました」




「以上で訓示を終わる」




俺の合図に部隊が動く。




「小隊気をつけ!」




部隊が一斉に不動の姿勢を取る。




「総司令官に対し、かしら~中!」




俺も敬礼をして返す。俺が戻して、彼女らも戻す。




「直れ!」




かしらの敬礼とかやっぱり俺高級幹部以上の扱いされてますわ。実際は陸士なのに……。




俺はそう思いながら3トン半を2台取り出して、彼女達には渡す。




それから移動を開始する。




「乗車用意!乗車!」




「「「「「乗車用意、乗車」」」」」




車長の橘2尉の号令に従い彼女達は次々に3トン半に乗り込んだ。

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