奴隷商にやってきました
資金確保も終わり、この世界について知るものを買うべく奴隷商にやって来ていた。
「いらっしゃいませ、今日はどのような子を御所望でしょうか?キャサリンがお伺いいたします」
そう言って店に入ると早々にオネェさんがやってきた。
「えーと、教養のある子がいいんですが」
「教養のある子ですね。かしこまりました。女の子でよろしいですよね?」
俺はチラッと美由の方を見てから「はい」と返事をした。
美由がいるのに男なんて考えられないからな。美由の近くには女性で固めるべきだ!決してやましい気持ちなどどこにもないぞ。
「それでしたらちょうどいい者がおりますよ。少しお高くはなりますがご期待に添えると思います、ではお越しくださいな」
オネェさんのキャサリンに続いて個室にいく。
「ではここでお待ち下さいな」
お茶を頂きキャサリンは部屋を出て行く。
それからすぐに女性を連れて戻ってきた。
「お待たせしました。この子が条件にぴったりだと思うんですぅ。名前はリリアかつて大陸の西側にあった国王家に支えていた一族の者で彼女自身も3年勤めていました。その国は今は滅び、訳あって私の店まで来たという訳なんです。ご挨拶するのよ」
「リリアと申します。先ほど説明にあった通りメイドをしておりました。支えていたとはいえまだ新米の身、至らぬところもあるとは思いますが誠心誠意務めさせて頂きますのでよろしくお願い致します」
「いかがでしょう? 前職メイドの奴隷というのはかなり珍しくお目にかからないと思われます」
「美由ちゃん、この人でいいかな?」
「私は天羅さんが選んだ方なら誰でも大丈夫ですよ」
美由の許可も頂き、この子に決める。
「わかりました。リリアさんにします」
「ありがとうございます。少し準備をして来ますので、お話でもしてらしてくださいな」
そう言い残してキャサリンは部屋を後にする。
残された俺たちは仲を深めることにする。
「それでご主人様方はなぜ私を御所望になられたのでしょう?」
「なぜかか。常識とかその辺を教えて欲しいんだよね。俺たち田舎から来たから全くそう言うのが分からなくてね」
「なるほどそう言う訳ですがわかりました。どこまでお力になれるか分かりませんが頑張らせていただきます」
そう言うと彼女は一礼して見せた。
「まぁ、そんなに気にしなくていいと思うよ。知識も大事だけど、基本的に俺たちに支えてくれるメイドさん的な感じで居てくれればいいからね」
「かしこまりました。私に出来る全てのことで奉仕させていただきます。」
あれ?余計に固くなった?
「ちょっと天羅さん」
と美由も俺の横腹を小突いてくる。
「お待たせしました。では早速契約させて頂きますね」
ちょうどそのタイミングでキャサリンが帰ってくる。
「リリアの値段は80万リムになりますがカードと現金どちらでお支払いなさいますか?」
「カードで」
現金なんて持ち合わせてないのでカードを選ぶ。
懐から冒険者カードを取り出して渡す。
「わかりました。少々お待ち下さい」
そう言って機械にカードを通している。
今思うけど冒険者ギルドとかは水晶を使ってるのにここではこんな機械みたいなの使ってるんだな。
そう思いながら見ているとキャサリンがカードを返してくる。
「では返却しますね。次に契約を行いますね」
そう言ってキャサリンはリリアの背中に手を置き呪文を唱える。
「これでリリアはあなたの奴隷になりました。以上で取引を終わりますが何かほかにございますか?」
「いえ特にないです。」
「左様ですね。ではありがとうございました」
「こちらこそありがとう」
キャサリン、あんたが男じゃなかったらいずれ店をやるときに店員さんにしたいくらい接客は良かったぜ!
俺はリリアを新たに仲間に加えこの街でする3つのことを終えて街を出る準備を始めるのだった。
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