初めてのお泊り1

部屋に入った俺たちは荷物を下ろしてベットに座った。




お互いドギマギ状態で、あまり会話も進まない。


まさか出会って次の日に即ホテルとかどこのプレイボーイやねんと言いたくなる。


まぁホテルではないのだけど。




しかしこの状況を打破せんと果敢に会話することにした。




「美由ちゃんはさ、ここに来るまでは何してたの?」




異世界に来るまでは地球で何かしていたはずJKのことが気になると言ったら嘘になるが最近の子は一体何してるのだろう?


俺自身まだ20で若いけども2.3年も離れると流行はすぐに変わるからな。




「えーと高校生してましたけど、特に変わったことはしてませんよ? でも強いていうなら少し筋トレしてたくらいです。これでも普通の女の子よりも筋肉あるんですよ!」




そういう彼女は俺の前で力瘤を見せてくる。自衛官の俺はついつい癖でそのこぶを触った。




ぷにぷに、うん柔らかい。




でも確かに良い感じに筋肉がついてるね。




「そ、そろそろ良いですか?」




「え? あっごめんねつい癖で」




「いえ大丈夫です」




彼女は少し顔を赤くしてまた少し沈黙が流れる。




ぐー~




沈黙を壊すかのように俺の腹が悲鳴をあげだ。




「お腹空きましたよね。ご飯にしましょう!」




ちょうど良いとばかりに流れに乗る美由。


確かに部屋の外からは美味しそうな匂いが漂っている。


その匂いを嗅いでると余計にお腹が空いてきた。




くぅー




可愛らしい音が鳴り響く。横を見ると赤面して下を向いている美由がいた。


彼女もお腹が空いているのだろう。


俺たちは食堂に向かった。




食堂に入り、カウンターにいる女将さんに鍵を見せる。




「302号室だねっと、空いてる席に座りな。すぐ料理持ってくるからね」




「わかりました」




食堂は案外繁盛していて席の大半が埋まっている。




端っこの方に二人がけのテーブルを見つけてそこに腰掛けた。




それからすぐにラミィがおてていっぱいに料理を持ってやってきた。




「お待たせしました。本日のメニューはミノタウロスのステーキになります。スープのおかわり自由ですので言ってください」




かなりお手伝いした証なのか彼女はスラスラと説明してくれた。




「ありがとう。その時はまた呼ぶね」




「はい!」




元気に返事をしたラミィは、トコトコと厨房に帰っていった。


うん、子供は可愛いな。




正直子供は好きだ。俺には歳の離れた兄弟たちが居るからその傾向にあるのかもしれない。




決してロリコンではないことをここに誓おう。




早速まだ熱々のステーキを頂くことにした。




「「いただきます」」




手を合わせた日本式、昨日の異世界式とは違うが俺たちはこれがいいだろう。




ステーキはほんのり塩が掛かっていてタレなどは無かったがそれでも十分過ぎるくらいに美味しかった。


肉は口で溶けるかのように柔らかく、A5の牛肉よりもおいしいと感じるのは異世界特有の食材だからだろうか?


名前からしてミノタウロスとか二足歩行の牛みたいなやつだよな?


想像したらなんか嫌になったけども、結局は美味しいので問題なかった。




スープもオニオンベースでエキスがスープに染み込んでいて美味しかった。


ついついラミィを呼んで2回ほどおかわりをした。




「「ごちそうさまでした」」




手を合わせて合掌する。




「ラミィ美味しかったよ」




その場にいたラミィに感想を伝える。


ラミィは満面の笑みで




「良かったです」




と微笑んだ。

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