第53話 屈辱

柚月「・・・どういうつもり?」

りか「こいつらはあたしのセフレ。本当は廉君もセフレの仲間入りにしたかったんだけど。まだまだピュアなお子ちゃまだったみたいで。興味ないみたい。」

柚月「最低・・・。廉の事、本気で好きなんじゃなかったの!?」

りか「廉君って人気あるんだよねぇ。それをゲット出来たら、あたしの株も更に上がるじゃん?」


たかだか、そんなしょうもない理由で。

ちっぽけな自分のプライドの為だけに。

ただ、自己満足を得る為だけに、まこをあんな目に合わせるだなんて・・・。

そして、なおかつ廉を侮辱する様な発言。

りかというこの子・・・、狂ってる。


りか「ねぇ。」

柚月「何。」

りか「あんた、廉君と付き合ってるんでしょ?」

柚月「あんたに関係ない。答える義務もない。」

りか「あっそ。じゃぁ、これだけ教えてよ。」

柚月「だから、何を聞かれても・・・」

りか「廉君とやったの?満足した?」


吐き気がする程汚い言葉。

確かに、あたしは同年代の子達と比べて考え方や行動が幼いと自覚している。

メイクの仕方も髪のアレンジも、全てまこから教えてもらった。見た目は「高校デビュー」と言われても仕方がない。

でも、中身のあたしは簡単に変える事なんて出来ない。かと言って、焦る必要もないと最近思える様になった。

・・・そう、周りが教えてくれた。

そんなあたしが、一つだけ言い切れる事・・・。


柚月「あんたみたいな軽い女と一緒にしないで。」

りか「え?まさか、まだやってないの?」

柚月「気持ち悪い・・・。とにかく、これ以上まこや廉に関わらないで。」

りか「みんなが見てる前であんたに叩かれて、赤っ恥かかされたのに?」

柚月「それは・・・悪いと思ってる。」

りか「誠心誠意を込めて、ちゃんと謝ってよ。」


悔しい。


柚月「あの時は・・・ごめんなさい・」

りか「誠心誠意に意味、理解してる?」

柚月「え?」

りか「土下座して謝れって事!!」


悔しくて悔しくて仕方がない。

でも・・・。

これ以上、大切な人達を巻き込みたくない。


柚月「すみませんでした。」


埃まみれの床に正座をし、両手を膝の手前で合わせ・・・。

「これで全てが丸く収まってくれるなら」

そんな願いを込め、あたしはりかに土下座をした。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る