第八時限目
「ねぇ、今日は部活あり?」
「う~ん…今日は行かなきゃダメなんだぁ…何か用事あった?」
「ううん。別に無いよ!」
「そぉ?ごめんね」
そこでチャイムが鳴ると同時に担任が教室に入り、菜緒は自分の席へと戻って行った。
そして待ちに待った昼休み。
あたしはいつもの様に菜緒とお昼を取った。
「結芽のお弁当、いつ見ても美味しそうだよね」
「お母さん料理好きだからね~」
菜緒は大抵コンビニか売店で買って食べている。
「うわぁ…そのアスパラのベーコン巻き、美味しそう…」
「食べる?」
「いいの!?」
「いいよっ(笑)」
あたしは菜緒のごぼうサラダひと口と物々交換し、お互い携帯を見たり漫画を読んだりしてまったりとした時間を過ごした。
「あっ、結芽っ!もうこんな時間だよっ!」
ご飯を食べ終えたあたし達は、廊下に出て次の時間の準備の為にジャージをロッカーから取り出す。
「ねぇ結芽~」
「はい?」
着替える為にトイレへと向かう途中、菜緒がモジモジしながら話し掛けて来た。
「実はさぁ…あたしいいなぁって思う人見つけちゃったんだよねぇ…」
「え゛っ!うそ!誰っ!?」
「…隣のクラスの桂太君…」
「…桂太君……あぁ、ロンブーの敦に似てる人っ!」
「はぁ!?全っ然似てないからっ!!」
中山桂太…〈ナカヤマケイタ〉
音楽部でギターとボーカルをしてて、菜緒と同じ赤髪にこれまた太いボディピアスをしてるイケメン君だ。
「昨日さ、昼休みに体育館でバスケしてる所見ちゃってさ…胸がキュンってなっちゃった訳よ!」
「胸キュン…ですか…」
「結芽さぁ、桂太君の友達の拓と仲良いじゃん?」
「仲良いってゆうか、部活が一緒なだけで…」
「お願いっ!桂太君のアドレス拓から聞いてきて!」
「えぇ~っ!?」
「お願いっ!今度カラオケおごるからっ!」
「…分かったよ(笑)今日拓にお願いしてみるね」
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