【信長に挑みし者達~ワレノブナガトカクタタカエリ~】その三【今川氏真《イマガワウジザネ》】

【今川氏真】は駿河国駿府館を本拠地としていた大名である。

結果だけをフォーカスしてしまうと今川家の歴史を終わらしてしまった人物という評で終わってしまう。

桶狭間の戦いで父・〈今川義元〉を討たれた今川家に於いて実際の権力を行使していたのは【今川氏真】の祖母・〈寿佳尼〉であり、当主となった【今川氏真】本人にそれほどの裁量権は無かったものと推測される。

また、今川家の跡取りとしての教育がしっかり施される前に父親が〈織田信長〉によって討ち取られるという不幸が起こる。

【今川氏真】自身の才能や適正が今川家当主に向いてなかったという結論を出す事は歴史上の結果論からしても致し方ないところではあるが、最後にこのエピソードをご紹介したい。

〈織田信長〉は蹴鞠の催しを開くことにした。その際当時国内随一の蹴鞠の名手となっていたかつての今川家の元当主【今川氏真】を呼び出し自らの蹴鞠の催し事に参加させた。

これを〈織田信長〉に屈したとみるか【今川氏真】の違うベクトルの意地の発露と見るかで【今川氏真】の個人的な思い入れが変わるかも知れない。


纏め【今川氏真】は大名として語るよりも蹴鞠を極めて戦国乱世を生き延びた事を評価するべきだと思う。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る