第10話 嫉妬
自分の名前が彫られた石碑を見て慌てて私を連れてきて、私の後方で待機する兵士へ振り向きと問いかけます。
「こ、これは一体っ!?私は国外追放と‥」
「お嬢様、落ちついてください」
「!?」
するとそんな私に声をかけてくる者がいました。その声は私の名前が彫られた石碑のほうから聞こえてきました。私が驚いたのは声がしたことではありません。その声に聞き覚えがあったからです。
嘘よ、そんなはずない
彼女がここにいるわけ‥‥
私は恐る恐るそちらを向きます。
聞き間違いであって欲しい、
どうか私の勘違いであって欲しいと
ですが石碑の方へと視線を向けた私はそこに、石碑の横に立つ人物をみて目を見開き、唇がわなわなと震えます。
その人物は笑みを浮かべて立っていました。
それはもう背筋が凍るような笑みを
私は震える声でその人物の名前を呼びます
「か、カーラ‥‥?」
「はい、お嬢様」
私の問いにカーラは笑顔で答えます。
「な、なぜ、あ、貴方が‥‥?」
カーラは笑みを深めてから急に大きな声をあげ笑いだしたのです。
「あはははっ!!!!お嬢様!!なんですかその顔っ!!絶望に染まったその顔っ!!なんて、なーんてっ素敵な顔をなさっているんですかっ!!あぁ、ついにこの日がきたのですね!!ふふ、お嬢様、私はずっとずっとずっとずーっとっ!!あんたのその顔が見たかったんですよっ!!あの女にそっくりたあんたのねっ!!」
「か、カーラ‥‥?」
「気安く私の名前を呼ばないでくださいますか~?あははっ!!全くあんた達親子は最高にバカですよね~、母親のほうは旦那との仲を不仲にし、さらには自分に毒をもった相手に涙ながら娘を頼むと言ってくるし、娘は自分の境遇を作り上げた元凶に懐くあほっぷり!!私が今までどんなに笑いを我慢したのかわかります~?」
「あ、貴方がお母様を‥‥?」
「ええ、息をひきとる直前に真実も話してさしあげましたのよ?私ったらなんて親切なのかしら~クスクスっ!!」
「なっなんでそんなことをっ!!?」
「あの女が悪いんですよ?私の好きな人をとるから」
「!?好きな人?まさか貴方お父様を?」
「ぷふっ!!私があんなグズ、相手にするわけないじゃないてすか~?あんたは知らなかったみたいだから教えてあげるけどあんたの母親に昔婚約者がいたのよ、政略結婚であの女は嫌々みたいだったけど、私はあの女が許せなかった、私がいくら望んでも手に入らないものをあの女は嫌々持っている。私が我慢できずき彼に自分の思いも全てを話したわ!!でも彼は「自分には彼女が全てだ」って私をふった、地面に泣き崩れる私を彼は振り向くこともなく歩いて去ったわ、私は彼を追いかけた、そして彼を‥‥手にかけた」
「ど、どうして‥‥?」
「私の物にならない彼なんていらないっ!!私以外の女の横で笑いかける彼なんてみたくなかった!!だから殺したの!!でもそれで満足できなかった!!だから私から彼を奪ったあの女にも絶望を与えたの、そして最後にその娘であるあんたにも、あの女の血などこの世から消し去ってやる!!」
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