第5話 何もない

「この度は誠に申し訳ありませんでした!!」


俺の前で綺麗な土下座を繰り出すゴミ

あのあとまた何度か騒いだが最終的にはゴミが全面的な非を認めて謝罪をした。俺もこれ以上煩いのも怠いので了承することにした。

そして俺はテーブルに置いてあった我が神様からのメッセージ入りの聖書をゴミに見せるとゴミは目を大きく見開いた後に


「あの糞上司がー!!!!」


と叫びながら家を飛び出して行った。

どうやら神様はあのゴミの上司らしい

あんなゴミが部下とか神様は大変苦労されているだろう。俺は静かに手を組み神様へと労りの祈りを捧げた。


☆☆☆


「さてと、」


粗方家の機能等、家の中は確認したので今度は外に出ようと玄関に向かう。そして置いてある靴を履くとピッタリサイズだ。俺は改めて神様の心配りに感謝をして玄関の扉をみた。扉は片側が開くタイプでドアノブがついていた。そこには本来鍵のつまみがあるはずだまるでガチャガチャのような取っ手がついていた。そこには5色の色がついていた。

簡単に説明すると某ジブ○の動く城の扉と言えば分かるかな?


リビングにあった説明書によれば色によって分けられた世界にいけるらしい。とりあえず今はこれから住むことになった島をみることにしよう。島を表す黒につまみを合わせてなら勢いよく扉を開けた。


「っ!!」


扉を開けたその先にあるものは‥‥


「なにもねぇぇぇっ!!!!」


そこに広がるのはただただ広い原っぱだった


☆☆☆


清司が玄関を開け絶叫をしている少し前、清司の家を飛び出したゴミは自らの上司のところへと猛スピードで向かっていた。


会社もとい世界を管理している場所に着き上司の部屋の扉を勢いよく開けると同時にどこからともなく出現させたマシンガンを乱発しながら叫ぶ。


「こんの糞上司がぁぁぁっ!!くたばれぇぇぇっ!!「こんのたわけがっ!!」んっがっ!?」


だが一瞬で背後に回り込まれ後頭部を激しい痛みが襲った。ゴミはそのまま床に倒れ混むとシクシク泣きながら


「うぅ、酷いです、私の努力の結晶たる財産をあんな形で使うなんて‥‥」

「やかましっ!!だいたいいくら島を作ったと言っても森も川も生き物もなにもないただの平地だろうがっ!!あんなとこで生活できるかっ!!」

「で、でもでも、その為に恩恵は与えましたっ!!」

「恩恵って?」

「私達のように丈夫で神力を扱える身体と「おばかっ!!」いたいっ!!」

「お前、それはだめなやつだろ!!神力を使えたら下手したら彼が世界を滅ぼすかもしれないんだぞ!?しかも神力を扱えるなら私達でも止められないんだぞ!?」

「え?」

「いいか?ぜったいに神力のことは言うなっ!!魔力で押し通せ!!もしもバレてなにか問題が起きたらお前のせいだからな!!」

「は、はいっ!!」

「あとお前には罰としてあの彼の補助に回れ、期限は私が大丈夫だと判断を下すまでだ、わかったか!!」

「はい!!」

「よし、ならさっさと行け」

「は、はい!!」


ゴミは踵を返し急いで清司の元へと向かった。

この時、彼女は忘れていた、清司が生活する上で必要な物を購入する度に自分の口座から引き落とされていくのを‥‥‥



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